2012年03月20日

最近、思ったこと

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Sandy Denny / No More Sad Refrains

久しぶりに最近思ったことなど書こうかとしていますが、考えがまとまらない。
もうずっと忙しくてゆっくり出来ない。有難いことだし、疲れ果ててる訳ではないけど、これで良いのか不安が付きまとう。結果は悪くないし、そこそこ儲かってるけど、ビックリするほど儲かってる訳でもなくて、今、自分がどんな場所にいるのか実感できない。

やろうとする方向は固まったような気がするけど、それをどれくらいやるのか、やればいいのか、そこが決めかねている。特に一人でやるのか、それとも誰かとやるのか、そこが問題のような気がする。

最初始めた時はお金が目的ではなかった。それからやっぱりお金が無くて苦労して、それでも続けてたら、少しお金が余るようになって、それでやっぱり思うことは、目的としてはお金ではなかったと。目的は最初からバカみたいに単純なことで、ワクワクしたいとかドキドキしたいとか、そんな事のような気がする。結局、リスクを払わなければそんな気持ちにはなれない訳で、無茶を重ねる事が美徳な訳で。

一方で、もうこれ以上妻や子供たちにお金で苦労はさせたくないと思う。それでストライクゾーンに球を置きに行ってるような気がする。思い切りが悪い。キレがない。

思い切ってやれば良いのではないでしょうか。47歳の新人投手は過去から一切学ばなくても良いのではないでしょうか。過去から学びすぎて身動き取れなくなったりしたくない。

楽しくやれなければ意味が無い。握り締めた「安定」などは投げ捨てて、いつ舞い落ちるか分からない「チャンス」などという胡散臭い代物を待っていたいのであります。

posted by sand at 06:36| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月25日

2011年のSnowbound

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 ああ気がつけば今年も終わりでした。最近はジョギングにハマってネットはご無沙汰になっていました。もう誰も読まないとは思うけど、来年の目標など自分の為に書き残しておこう。

 今年の仕事面は良かったと思います。結果が出ました。いつまで続くかは分からないけど。調子に乗らず、気を抜かず、今までどおりコツコツやっていこうと思います。

 ジョギングが面白くなってきた。走れる距離も伸びてきた。来年に達成出来るかは分からないけど、マラソンの大会に出るのも目標にしたいです。

 ネットで書いてる文章は、断続的にでも書き続けていこうと思います。このままネットのサイトに投稿して行くのも渋い気もするし、どこかの文学賞に応募して行くのも面白いかもしれない。どっちにしても結果を求めるより継続することが大切な気がします。

 今年は大きな出来事がありました。自分に出来ることなど考えたりもしました。ただ短期に出来ることは限られています。長い視点で考え続けて行きたいと思います。それで誤魔化しているのかもしれないけど。

posted by sand at 02:43| Comment(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

入道雲より

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Elvis Costello / Mighty Like a Rose

T
 僕は9号ボートの前で船長の帰りを待っていた。平日のボート乗り場は人気が無く、桟橋に繋がれたボートの群れはイナゴのように見えた。9号ボートはその左端にポツンと寂しそうに浮かんでいた。

 切符売りの親父との交渉を終えて、船長が戻って来た。船長と言っても女の子で僕と同じ歳だったが。彼女は切符売り場の親父と仲が良く、親父の機嫌が良ければ3度の内1度は無料になった。それで彼女が船長になった。

 9号ボートは水を切って進んだ。8月も終わりになると水面は涼しく感じられた。空に浮かぶ入道雲はその圧倒的な存在感に比べて、フワフワと落ち着きが無く、どこか軽く頼りなかった。それはその年に僕らが過ごした夏の日々と重なっていた。

「もう夏も終わりだね」僕は独り言のように言った。「魔法をかけてあげるよ」ボートの向かい側から船長の声がした。
「どんな魔法?」「永遠に夏が終わらない魔法」船長は目を閉じたまま半分寝言のように言った。
「ふん」と僕は言った。正直どうでも良かった。夏が終わっても、終わらなくても、どっちでも良かった。「さあ目を閉じて」船長は目を閉じたまま言った。
僕はため息をついてから目を閉じた。「三つ数えてから目を開けて。それじゃ行くよ。ひと〜〜つ」船長はとても間延びしてカウントした。「ふたあ〜〜〜つ」どうててだろう。僕は三つ目のカウントを船長から聞いた覚えが無い。船長は三つ目のカウント前に寝てしまったのだろうか? 実を言えば僕もカウント中に眠ってしまったのだ。そして僕は夢をみた。「ねこ渡船所」の夢をみた。

 ネコ達は向こう岸に渡るために船を待っていた。どのネコもカバンを持っていて、色々なモノをそこに詰め込んでいた。「夢」だったり「希望」だったり「成功」だったり「お金」だったり「愛」だったり「幸せ」だったりした。でも船はいつまでたっても到着しなかった。向こう岸は目に見えるほど近く、泳いでも渡れそうに思えた。でも泳いで渡るネコは一匹も見なかった。なぜなら、その海はガラスの海。誰も傷つきたくはなかった。その海は赤い色をしていた。誰かが血を流して海を渡ったのだ。でも、ここにいるネコにはそれが出来ない。もちろん僕も待ってる事しかできなかった。船長がここに到着するまで。

U
 1985年の夏はとても暑かった。いや、実際調べてみれば、そうでもなかったかもしれない。僕らがクーラーのない生活して暑い場所に頻繁に顔を出していたからかもしれない。その夏、派手な柄のアロハシャツをグッショリ汗で濡らしてプールバーにいた。店に入るまで廊下で3時間待たされた。船長は頬杖をつき過ぎて右あごを真っ赤に腫らしていた。冷えたバドワイザーを飲みながら僕らはキューを握っていた。
「ナインボールってさ。なんか不安定じゃない? 多すぎるような。少なすぎるような。どう思う?」船長は僕に聞いた。
「どうも思わない」僕は集中して玉を突いていた。
「へ。ノリが悪いんだ。そんな事言ってるとね。今夜は雨になるよ」
 僕はバーの窓ガラスに浮かぶ夜空の星を見て言った。「星が出てるよ。雨は降らない」
船長は腰に手を当てて缶ビールを一口飲んでから「心の雨は、夜しか降らないの」と言った。

 バーを出て最終のバスに乗った。「どこに行く?」と船長は聞いた。「どこにも行かない」と僕は答えた。それから一言付け加えて「どこにも行けないなら、どこにも行かない」と言った。「変な人ね。じゃ帰るのね」と船長は言った。僕は船長の腰に手を回して「君の中にいたい」と言った。「スケベ」と船長は手を払って一つ前のシートに移動した。一人になった僕は星空を眺めながら、やがて訪れる夜の雨を待っていた。

 バスから降りると船長は泣き始めた。時々船長はそうなった。時々そんな風に自分の船を揺らした。そうなると僕にはどうする事も出来なかった。僕は船長の肩を抱いて、その涙を見つめた。船長の心に降る雨を見つめた。

 船長を自室まで送り届けてベットに寝かせた。その後、船長の机に座って煙草を吸った。それから机の上に転がっていた付箋紙に目を留めた。
 青色のラッションペンを取り出して付箋紙に心に浮かんだ言葉を書き込んだ。
一つ目の付箋紙には「9号ボート」と書き込んで電気スタンドに貼り付けた。2番目の付箋紙には「ナインボール」と書いた。3番目の付箋紙に「9月の予感」と書いて貼り付けた。電気スタンドには3枚の付箋紙が並んだ。キーワードは「9」だ。最後の付箋紙に「夜の雨」と書いた。
 九つの魔法が解け、やがて夜の雨が訪れる。
 
V
 2011年の夏の終わり。僕は一人だった。あの夏の暑さも、あの夜の喧騒も、もう過ぎ去ってしまった。もちろん船長も、ここにはいない。答えというものは、いつも自分の手の中にあって、それが答えだとは気がつかない。それが答えだったのだと気がつくのは、それを手放した時だ。それを失った時だ。

 船長の最後のカウントはどこに行ったのだろう? あのカウントを取り戻せば、僕はあの日に戻れるのだろうか? あの夏に帰れるのだろうか?
 
 あの夏、僕らを包み込むように、優しく、やわらかく、そして間延びして存在した。ただ存在した。あの入道雲のように。



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posted by sand at 12:23| Comment(0) | 超短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月10日

Drops of Jupiter

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Train / Drops of Jupiter

 今日は普通の日記です。
前回書いたのが出来が悪く、楽しめなかったので、さらに、ゆっくりの更新にしようと思います。このブログに関しては継続させるのが唯一の目的なのでボチボチやっていこうと思います。
8月の仕事は若干ゆっくりなので、中篇か長編に挑戦してみたいけど無理だろうな〜。

 京都に行った娘も、持病に悩む娘も、どっちも今のところ踏み止まっているようです。頑張って欲しいものです。

 仕事は結果的には売上も利益も伸びているのですが、とにかく波乱が多い上半期でした。店舗周辺に同業者が2店舗出店してきました。1店舗は真横。納品先にも強力なライバルが進出してきました。なかなか手強い相手です。しかし「ピンチはチャンス」でもあります。自店のサービスや商品を見直す良い機会だと考えて長期的な視野に立って判断して行きたいと思います。
でも、まあ、不安だし前途は多難だと率直に感じます。

 CDは本当に安くなりました。レンタル落ちなら200〜300円で手に入ります。今のところそれで充分です。昨日も6枚くらい買いましたが2000円くらいしか払いませんでした。長く音楽を聴いてきたので定価で買って貢献したいところですが、なかなか金銭的に難しいです。申し訳ないけど。

 最近の人達ではTrainを良く聴きます。アーシーなコールドプレイと言いましょうかね。このような乾いた泣き節が好きなもんでしてね。

posted by sand at 06:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月03日

44

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Syd Barrett / Radio One Sessions

「昨日、ドミノを倒したよ」

44が、私に声をかけたのは、スポーツクラブのラウンジだった。彼はシャワーを浴びた後のようで上半身は裸だった。
「何年続いてた?」私は手にしていたスポーツドリンクを彼に勧めたが、44は右手を振って断り「3年」と答えた。

「良い頃合だね」私は44の隣に腰を下ろした。「まあね」44は満足そうに頷いた。
「もう始めたかい?」私は額に流れ落ちてくる汗をタオルで拭いた。「ああ。すこしばかり時間はかかったけどね。また始めたよ」

 私はスポーツドリンクで喉を潤した。「3年は彼にとって幸運だったね。良い経験で、けりが付く」44は髪を短くして精悍な感じを与えた。薄っすらと伸びた無精ひげも彼の品位を落とすほどではなかった。
 44は微かな笑みを湛えながら「誰もが私を悪魔だとか死神だとか呼ぶ。だけどね。考えてみてくれ。ドミノは最初から倒れるものだよ。それを分かった上で始めるんだ。けれど、いつしか、それを忘れてしまう」と言った。
「そして君の出番が来る」私は44に笑いかけた。
「君のドミノは何年になる?」44は真顔で私に聞いた。
「もう18年になる」私の声は緊張する。
44は笑顔を見せて「君のドミノを倒すのは、まだ先のことだよ。どのくらい先かは分からない」

 44が私の並べているドミノに指をかけている事は分かっている。彼はいつでも指先に力を加える事が出来る。一つ、倒れれば一瞬のうちに終わってしまう。3年であろうと18年であろうと30年であろうと。でも私はいつも考えることにしている。「それが終わりではない。また直ぐに始めることができる」と。
 実際、終わりなどはないのだ。その人が死んでしまうか、諦めてしまった時が本当の終わりだ。

 次に44に会ったのは早朝の路上だった。私は納品の途中で路側帯に車を止め、酒屋の前にある自販機で缶コーヒーを買い求めた。44は自販機横の植え込みに、うずくまっていた。かなり酷い状態だった。酒の匂いが強くした。私は44を抱え起こすと酒屋のシャッターの前に座らせた。冷たい水を買って彼に与えた。彼は水を飲み干した後「すまない」と口にした。

 少し落ち着いた後に彼は語り始めた。まだ夜は明け切れず、車も人も見かけなかった。私は彼の横に座って話を聞いた。
「50年以上続いたドミノだった。その人は3代目で誠実で真面目な人だった。でも真面目過ぎたんだね。頑なになり過ぎて、時代の流れに対応できなくなってしまった。それが彼を追い詰めた。でも彼は変わることが出来なかったんだね。それでドミノは倒れた。さらに悪いことに奥さんと子供を道連れにしてしまったんだよ」44は溜息をついた。
「死んだのかい?」私が尋ねると44は深くうなずいた。

 私は言葉を失ったが、なんとか彼に声をかけた。「その人が弱かったんだよ。君がいつも言うようにドミノはいつか倒れる。それをその人は受け入れられなかった。それがドミノなんだと言う事を忘れてしまった。最初から確かなモノなんか一つも無いことに気がつかなかった。その人があまりにも世の中を知らなかっただけだ。奥さんと子供の事を思えば、地面に這いつくばって、もう一度、最初から始めなければいけなかった」44は憔悴しきった目を閉じてまま、それを聞いていた。44は何も答えなかった。
 私は納品の続きもあって、彼をそこに残したまま、車に乗った。

 その後もテレビやネットのニュースで44の動きを垣間見ることが出来た。44はドミノを倒し続け、倒された者達は、また新たなドミノを並べ始める。いつ、どこで、44がやってくるのか誰にも分からない。理由も時期も関係なく、心情も言い訳も通用しない。

 ただ並べられたドミノは、いつしか倒されてしまう。44の指先からは誰も逃げられない。



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posted by sand at 05:38| Comment(0) | 超短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする