2010年03月26日

新田・新田


アンプラクド〜アコースティック・クラプトン

アンプラクド〜アコースティック・クラプトン

  • アーティスト:Eric Clapton
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1992/09/10
  • メディア: CD



 日曜日の午後に仕事から戻ると、妻が玄関に出てきて、ゴホゴホと咳払いをした。
玄関床には見知らぬ男物のスニーカーがある。『上か? 下か?』僕は無言で親指を上下に動かす。
妻の親指が下を指した。下の娘の男のようだ。

 娘たちのカレシが家に遊びに来るのは嫌ではない。むしろ嬉しい。青春って良いな〜と他人事のように思う。妻は少し心配そうだ。時々用もないのに部屋の様子を窺いに行く。
「悪趣味だよ」僕は言う。「モラルよ」妻は言う。

 僕は風呂に入って、自室で缶ビールを飲む。パソコンでエリック・クラプトンの動画を眺める。日曜日の午後が持つ豊かさを堪能する。

 2階からゴトゴト物音が聞こえた。僕は耳を澄ます。背中がひんやりと凍りつく。僕は焦っている。どう気持ちを整理したら良いのだろう?
 急いで自室を出て、妻の元に駆け寄る。「今、2階で音がしたよ」
「聞こえた」妻は落ち着いてコーヒーを飲んでいる。僕は妻の顔を見て少し落ち着く。
「どんな子?」僕は親指を立てる。
「真面目な子みたいよ。でも愛想が悪いわね。恥ずかしがりや、なんだって」
「へぇ。俺に似てるね」僕は少し嬉しくなる。

「そうね。私もあの子に言ったのよ。お父さんに似てるんじゃない?って」
「そしたら何って言った?」僕は身を乗り出す。娘が何て返事したのか気になる。

「やっぱり父親に似た男を選ぶもんじゃない?って言ったわよ」妻は僕の背中を平手で叩いてカカカと笑った。

 僕は呆然としていた。数秒、気絶していたかもしれない。それから僕は出来るだけ難しい顔をする。腕組みをする。頭を指先でゴシゴシ引っ掻き回す。肩をトントンする。
「民主党は期待外れだね〜」僕は難しい顔をしたまま自室に戻る。唇の隙間から新田・新田が零れ落ちそうになるのを必死で我慢しながら。

 自室に戻ると慌てて辺り見回す。そして唇に付着した新田・新田を慎重に拭き取ってゴミ箱に捨てる。それから缶ビールを飲み、パソコンに写ったクラプトンに目を移す。僕はまたボンヤリする。しばらくして我に返った僕は唖然とする。口の周りに新田・新田が大量に繁殖しているではないか。僕は慌ててパソコンを落とし、寝室のベットに駆け寄り、辺りの様子を窺ってから、毛布を頭からかぶる。それから僕はこう呟く。

「さあ。思う存分新田・新田しようか」


★相当、甘いけどリハビリ中。また、たまに書いていこうと思います。完全に趣味として。色々思うこともありましたが、批判する側より批判される側を選びたいとか(どっちでも良いけど)。結局、書くのが好きなのです。最初の頃に書いてた軽いのも書いてみたいもんす。
posted by sand at 18:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月21日

Deja Vu All Over Again


Deja Vu All Over Again

Deja Vu All Over Again

  • アーティスト:John Fogerty
  • 出版社/メーカー: Geffen Records
  • 発売日: 2004/09/21
  • メディア: CD




 娘が志望していた公立にも合格しました。まずは良かったです。
やはり試験の途中で何度か退席したみたいで、心配でしたが、なんとか。
 今後どうなるのか分かりませんが、今のところは、これで良しとしましょう。

 会社の方は、少し形になってきました。もう一息。3月中に、こちらもなんとか。

 仕事はやっぱり楽しいです。野望とかあるわけではなくて、楽しいので続けたい。関わってる人も長くなったので、なんとか整備してあげたいです。45歳にもなって捻りも何もないですが、頑張りたいです。と言っても何かしらの結果を求めている訳でなくて、ただ頑張って過ごすのが単純に好きなのです。今年になって入念に検査してもらったけど身体はどこも悪くなかったです。

 二人の娘を大学にやって就職させて、その後、女房に長生き出来るくらいお金を残したいです。出来るだけ長く死ぬまで働きたい。隠居などしたくない。バリバリ働いて、好きな音楽聴いて、ビール飲んで寝る。そういうの死ぬまで続けたい。年を取るってことが、抱えてるものを、少しずつ消し去ることで、いつしか内面が透明になれるのだとしたら、年をとるのも悪くはないと思います。

 母が死んで、自分の中に何が残るのだろうかと思っていましたが、見事に何も残らなかった。母は、何ひとつ残さず逝ってしまいました。痛快と言っても良いのかも。

 母は死ぬ前、こう話していました。
「欲しい物は何もない。行きたい場所は何処もない。生きているのは退屈で、生きているのは本当に面倒臭い」

 変わっていく自分を眺めるのは面白い。無責任に、大変、無責任に変わって行けば良いと思います。


posted by sand at 18:01| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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