2006年01月15日

しらすおろしご飯が求める朝

Teaser and The Firecat.jpgしらら.jpg
Cat Stevens / Teaser and The Firecat

それは寒い冬の朝だ。君は目を覚ます。やがて、その事に気が付く、寒い冬の朝なんだって事に。

君は布団に頭から包まる。そして眠りが再び君をさらう瞬間を待つ。
チュンチュン鳥が鳴いてるのが聞こえる。カーテンごしに穏やかな日の光が射し込むのが分かる。でも君は布団の外の世界に魅力を感じない。
が、しかし、君は布団の中で、その匂いを嗅ぐ。クンクン。
ん!んんん!「今日が、その日だったのか!」君は布団から跳ね起きる。そして枕元の時計に飛び付く。
午前9時20分。
まだ間に合う。午前11時までならギリギリ容認範囲であろう。

君は台所に駆け付け、お米をとぐ。朝の水道水は飛び上がるほど冷たい。しかし君の覚悟は決まっている。この日を逃してなるものか。
炊飯ジャーのスイッチを入れると、急いで顔を洗い、服を着替える。
慌ててアパートから飛び出ると自転車に乗って近くのスーパーに向かう。

スーパーの買い物カゴを引っ掴むと、君は鮮魚コーナーに突進する。目指すは「しらす」だ。
釜揚げのプヨプヨした「しらす」を捕獲すると、次ぎは野菜売場へ直行する。
まずは大根1/2、そして小松菜・里芋を手中にする。さらに踵を返すように豆腐売場へ。油揚げを見事に奪取。勇んでレジで会計を。ポイントカードとか悠長な事は言ってられない。

自転車を飛ばして部屋に戻ると、炊飯ジャーは湯気を上げている。うむむ。良い感じに事態は進展している。
君は満足げに鍋に水を貯め、火にかける。野菜を洗い、皮を剥く。さらにバッサバッサと切り刻む。
沸騰した鍋に里芋を入れ、火を通す。大根を摩り下ろす。手が冷たくて痛いけど、ちょっとだけ我慢して、その作業を続ける。里芋が柔らかくなったら小松菜・油揚げを投入し味噌汁を作る。
炊き上がったご飯に大根おろしをドッサリ乗せて、上から「しらす」を振り掛け、お醤油をたらす。
味噌汁をお椀に注ぎ、箸を揃える。準備完了。君は時計を見る。
10時40分。速い!君は自身の無駄のない仕事ぶりを称える。

「しらすおろしご飯」が求める朝がある。「しらすおろしご飯」は意外と融通が効かない。
厳しく吟味され限定された朝を提示する。それが、この日の朝だった。
君は「しらすおろしご飯」の課した試練に耐え抜いたのだ。

さて、いただこう。
あ、BGMでも流そうか。キャット・スティーブンス「雨にぬれた朝」が最適。

「いただきます」君は手を合わせる。
<プユプユしらす>と<サクサク大根おろし>と<ホコホコ炊き立てご飯>が口内で入り乱れる。
時にプユプユ。時にサクサク。時にホコホコ。なんとも美味い。
時折、小松菜と里芋と油揚げの味噌汁を流し込む。アツアツでプリプリ・シャキシャキした感触が堪えられない。

君は「しらすおろしご飯」のもたらした幸福に感謝する。そう。
それは、この朝にこそ相応しい。
「しらすおろしご飯」は、誰よりもそれを知っている。
誰よりも、その朝に敬意を払っているのだ。


だんだん飽きて来たけど、もう少しやるよ。だから先っちょだけでも押してよ。プニ。人気blogランキングへ

そうそう、このシステム?は大ファンの「ラッシャイトゥナイ」さんをリスペクト(パクった)したものです。たいへん面白いです。このブログ。


posted by sand at 05:30| Comment(0) | コラム・食い物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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