2006年03月06日

These Days(その3)

Chelsea Girl.jpg
Nico / Chelsea Girl

<前回までのあらすじ>
18歳を過ぎても未だに童貞である事を潔くカミングアウトしたsand氏であったが、そのあまりの恥ずかしさのあまり座ったまま失神してしまう。目は白目を剥き、口からは大量のヨダレ。鼻から鼻水。目からは大粒の涙を流しながらの失神状態にあったが、あいにく誰からも気がついて貰えないのだった。普段から、そんなボ〜とした男であった訳だ。


 その時、私は『羞恥の森』にいた。
その森の広場では、『ペペ浜崎』と言う男が穴を掘っていた。ちょび髭が良く似合っている。
「ペペと呼んでください」ペペ浜崎氏は彼の腰が沈むほどに掘り返された穴の中から、私に言った。
「じゃあペペさん、どうして穴を?」
「ふうむ。辺り障りのない質問ですね」ペペは、スコップの手を止めて身体を起こした。
「じゃあ、穴を掘らない理由は、どこにありますか?」ペペは微笑みながら私に聞くのだった。

「その必要がなければ、そうしません」私は答えた。
「その必要があっても、君は、そうはしないんでしょ?そう出来ないんでしょ?」ペペの声は鋭さを増してきた。
「必要なんて何の意味もありません。何の力も無いんです。それが欲しければ穴の中に飛び込むしか無いんですよ。君が、どんなに逃げ回っても、穴は君を捕らえるはずです」ペペは右目をウィンクしながら微笑んだ。

 それを合図に私が今まで立っていた場所がスッポリと抜け落ち、私は大きな穴の中心に浮かんでいるのだった。
でもそれは、ほんの一瞬だった。次の瞬間、私は真っ逆さまに穴の底に向かって落ちて行った。

地上から叫び声が聞こえてくる。ペペの声だ。彼はこう叫んでいる。
「君の必要なんて犬にでも食わしちゃえ!生きる人の声を聞け!君に何が出来る?君に何が出来るんだ?」


 私が我に返った時には、二人の良い男の告白が終わった所のようだった。
勝ち誇ったように傲慢な笑顔(女の子が見るとサワヤカに見えるのが悔しい)を見せる良い男組とボコボコに打ち込まれてフラフラ状態の負け男組の状況を見ると、いかに、おぞましい体験談を彼らが語ったのかが窺い知れた。失神してて良かった。んなクソ男に傷つけられて、たまるか。

 次は「黒い瞳のバボ」の順番のようだった。私は身を乗り出した。さ〜さ〜白状するんだバボよ!カモ〜〜ン童貞エリア。
バボは恥ずかしがってる。黒い瞳をパチクリしてる。さ〜さ〜バボよ。バボちゃん。吐いちゃいなよ。楽になるが良い〜。カモ〜〜ン、バボ。ヒヒヒ〜。私の童貞フレンドへの期待は最高潮に高まっていた。
 その時だ。意外な人物が口を開いた。証言を終えた良い男Aだった。
「バボ。俺、知ってるよ」良い男Aはニッコリと微笑んで言うのだった。
なんだ。なんだ。この大人の空気は?この大人の間合いを何とかしてくれ!耐えられないよ!大人空気濃厚過ぎる〜。私は歯を食いしばって良い男Aの言葉を待った。

「バボとエッちゃんが一緒に帰ってるの見たんだ」良い男Aは核心に言及した。
誰だ!エッちゃんとは誰だ?悦子か?私は自身の脳内にインストールされた「女の子データベース」に検索をかけるのだった。悦子・・悦子・・。

「平川悦子?」私は検索結果を、すぐさまバボに問うた。
バボは黒い瞳をウルウルと震わして、小さく、うなずいた。
バボが落ちた。しかも、まったく予期せぬ結果だ。私は驚きのあまり大きく息を呑むのだった。
平川悦子・・それはクラスでも最も地味な女の子の一人だった。確かに鼻が上に向いて美人エリアには遠く及ばない。しかし性格が良かった。地味だけど、とっても優しい女の子。
私は、なんだか「お父さん」のような気持ちになっていた。
バボとエッちゃん。お似合いじゃないか。実に地味で目立たないカップル。人畜無害で無公害。まるでパセリとクレソンのような二人。二人の幸せを心から願うよ。いやいや。私がキューピットを引き受けても良い。仲人になって新郎新婦の経歴紹介しても良い。

 私はバボの肩をポンポンと叩き、こう告げた。「何も言うなバボ。俺がこの恋、預かった。何も心配するな」
バボは『おなえなんかに預けたくねぇよ』と言う顔をして私を見返すのだった。

さ〜〜次は天敵トド松との対決だ!


疲れたので今日はここまで。今日はテンション低かったな〜、こんなもんか、ニコだし。続きはまた、いつか。

テンダーな大人のお付き合い・人気blogランキング47位くらいまで上昇しました。ありがとうございました。


posted by sand at 18:20| Comment(3) | 超短編小説B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
突然のコメント申し訳ありません。
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Posted by ブログランキングBootan at 2006年03月06日 18:53
読んでますよ〜〜
オトコの世界だねえ、これは〜と思いながら、高校の頃を思い出すと、いや、女どうしの集まりでも、こういうシチュエーションあったなあと思い出してました。
「喋らせたがり」ってのが友人にいて、あれこれ訊いてきた。あまりに聞き出すのがうまくて、周囲の友人は言いたくもない片思いの相手をついつい話してまして、「え〜〜あんなのどこがいいねん!!」と思いつつ、そうは言えなかった。ついに自分にお鉢が回ってきて、「実は○○君がいいなあと…」などと、喋りたくないのに喋る。だって、追及がしつこいから、根負けして喋る。
で、友人の目を見ると、言葉には出ないけど、明らかに目が笑ってるのね。
喋ったが最後、延々ネタにされる。で、仕返しに友人の弱みを暴露。こういうちょっとした裏切りにケンカしたのが、懐かしいなあ。

自分の行ってた、大阪の高校にも、バボとエッちゃんみたいなカップルがいたのを思い出します。清らかじゃなくても清らかっぽい〜。そんなこと考えるより、自分の彼なし歴期間ストップの対策すればいいのにねえ。こういう話題のほうが面白いんですよ、どうしても。
こういう感じで、テレビの話題より、身内の話題が好きなタイプでしたね、私は。

以上、どうでもいいことを長々書いたのは、わりと最近同窓会をしたからかもしれません。
お邪魔しました〜
Posted by ring-rie at 2006年03月06日 22:53
読んでいただいて、ありがとうございます。
だんだんテンションが落ちてきたので、続きを書こうかどうか迷ってました(って、ほど真剣じゃないけど)最後まで書きたいものですね。

>「喋らせたがり」

女の子は、「喋りたがり」なのでは?
ウチの中学生の娘の会話とか凄いですね。昔は、やっぱりウブでしたよ。クラスの4分の3はウブだったような。ウチ所、田舎だったしね。

>「え〜〜あんなのどこがいいねん!!」

多分、私も言われていたでしょう。そんなヤツがいるから彼女が出来なかったんだよ(って今更)

>「実は○○君がいいなあと…」

なんか生々しい会話でんな。女子バレー部の更衣室にいるようです。もしくは女子高の修学旅行。

>明らかに目が笑ってるのね。

ring-rieさんがモジモジしてるのが可笑しかったんやない?普段、大雑把そうだし(^O^)

>懐かしいなあ。

私も、ものすごく懐かしくなってます。

>清らかじゃなくても清らかっぽい〜。

地味なカップルには不思議と嫉妬心が湧かなかったですね。当時から見てるだけで幸せになれました。

>自分の彼なし歴期間ストップの対策すればいいのにねえ。

これは意外。ウソついてますね?恋に燃える女のイメージを払拭しようとしている。
ダメダメ。ring-rieさんは恋愛至上主義の烙印を押されているのだ。

>テレビの話題より、身内の話題が好きなタイプでしたね、私は。

今では、テレビの話題も詳しくなりましたね。
ring-rieさん、テレビネタ専用ブログ作って欲しいな〜。テレビ番組に良いとか悪いとか言いまくるブログ。ニッチな話題が良いですね。真山キャスターの背が低いとか(誰やそれ)

>最近同窓会をしたからかもしれません。

なにかトキメキがあったような気がするな〜ウヒヒ。
Posted by sand at 2006年03月07日 15:58
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