2006年04月28日

6丁目の暗黒(再UP)(時計館のある街@)

☆拝啓ショコポチ先生 昨日は酔っ払ってレスを付けてしまい、不快な思いを与えてしまった事を深くお詫びいたします。誠に申し訳ございませんでした。
で、何が言いたいかと言うと『4行以上のコメント大歓迎』と今更のように呟いてみたりするのでした(反省してないよ。コイツ)

放っといたら、ろくな事書かないので、昔書いたヤツの再掲載です。どっちにしても、ろくでもない文章なのですが…。


柱時計.jpg

6丁目の街外れには暗黒があった。

僕は、時計館に勤めていた。
街中の古時計がここには集められている。
僕の仕事は古時計を調整し、その命を聞く。

シーンとした館内には時を刻む音だけが鳴り響いていた。
コチ、コチ、コチ。
古くてドッシリしたカウンターに独りで座り、1日の大部分を時計の音を聞きながら過す。
扉の外で降り続く、雨の音さえ聞こえない。ここは、そんな場所だ。

静かに扉が開き、瞳のない馬がやって来る。
彼女は年老いて歩く事さえ、おぼつかない。なにより彼女には瞳がない。
大きな純白の目玉だけが皺だらけの顔に浮かんでいた。

瞳のない馬はヨボヨボと受付のイスに腰を下ろすと「まだ、時間は残っているかね?」と聞く。

僕は彼女の古時計のそばまで歩み寄り、彼女の命の音を聞く。
「まだ、残っていますよ。でも、それほど長くはない」僕は答える。

「そうかい。それは良かった。まだ、やり残した事があってね。どうにも気がかりなんだよ」
瞳のない馬はうつむいて微笑みながら言う。

「命が尽きる前に、瞳を取り戻したいよ。あの暗黒で奪われた瞳だよ。わしはまだ若かった。何も知らずに、あの暗黒に近づいてしまった。」瞳のない馬は、独り言のようにそう言った。

しばらくの沈黙の後に彼女はこう言う。
「歯磨きサロンのトムの店に妹が帰って来た様だね。なんでも都会で勉強して見事なブラッシングを見せるようだね。名前は、たしか・・」

「ソニー。友達です。」僕は、その子の名前を言う。彼女は僕の恋人だ。

「そうかい。友達かい。それは良かった」瞳のない馬は嬉そうにうなずいている。
僕らは今夜、仕事が終わって夕食の約束をしている。

瞳のない馬が館を後にすると僕は帰り支度をはじめる。
一つ一つ時計を回って、その音を聞いて行く。
大丈夫。今日は誰もが元気でいる。

館の明かりを消して、夕暮の街を歩き出す。
歯磨きサロンをやってるトムの店に向かう。
この街で一番上手いと評判の店だ。店はいつ行っても人が並んでいる。
彼に磨いて貰った歯は、まるで宝石みたいに輝き出す。

「やあ。ソニーは<指切り婦人>の家に出張サービスに行ってるよ。待てるだろ?」トムは、店の扉を開けた僕に告げる。
でも、僕は嫌な予感が身体を駆け巡る。<指切り婦人>の家は、暗黒の近くだ。
「いえ。迎えに行って来ます。」
僕は、急いで扉を閉め、夜の街を走りだす。
石畳を息を切らして駆け抜ける。
「ソニー、暗黒に近づいちゃダメだ。暗黒に触れたら君は戻れなくなる。今の君には戻れなくなるんだ。」


 誰もが秘密を持っている
 直面出来ない何かを持っているんだ
 ある人たちは一生それを持ち続けようとし
 ある日それを断ち切るまでどこへ行くにも持って行くんだ
 断ち切れなければ それに引きづられて行くんだ

 誰も問い正したり
 顔をじっとのぞき込んだりしない
 町のはずれにある暗闇へ
  Darkness On The Edge Of Town / BRUCE SPRINGSTEEN
Darkness on the Edge of Town.jpg

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posted by sand at 03:03| Comment(2) | 超短編小説A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何をおっしゃいますやら。もう慣れてます。私って雑だけど優しいからあまり気にしないようにね。先日ダンナに「岡本麗に似てる」と言われたことのほうが百倍ショックでした。
Posted by ショコポチ at 2006年04月28日 12:00
>雑だけど優しいからあまり気にしないようにね

全然気にしてません。

>「岡本麗に似てる」

ぬおおおおお!あの『はぐれ刑事純情派』に出てくるお嬢様ですね!も〜ムチャクチャファンです!
こうしちゃいられない!今すぐ旦那さんと別れて結婚して下さい!(今日も酔ってるよ・・・)
Posted by sand at 2006年04月28日 17:59
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