2005年02月24日

人生の秘密(Secret O' Life)

JT.jpg 鉛筆.jpg

「アンちゃん、小学校、楽しいかい?」

私は、下の娘<アンぽんタン>に聞く。
彼女は、机に向かい、ノートの上で鉛筆を動かしている。
鉛筆は、右や左に動き、「紙の上の言葉」を描き出して行く。
私は、彼女の背中越しに、その動きを眺めている。

「うん。楽しいよ」彼女は首を縦に振る。

「お父さんは、生きて行くのが辛くてたまらないよ」
私は、そう思う。でも、言葉には出さない。


 人生の秘訣は時の移り変わりを楽しむ事にある
 どんな愚か者にもできる
 ほかには何もない
 丘の上に到達する方法なんて
 誰も知らないのさ
 どうせ堕ちて行くんなら
 旅を楽しんだ方がマシってもんだ
  <James Taylor / Secret O' Life>


「アンちゃんには、秘密があるの?」私は彼女に聞く。
すると、ピクンと鉛筆の動きが止まる。

「う〜〜ん」
彼女は、首をひねって、しばらく考え込む。
「・・少しは、あるよ」彼女は、恥かしそうに、そう言う。

「ふ〜ん」私は、微笑む。

やがて、鉛筆が思い出したように動き始める。
右に行ったり、左に行ったり、上に行ったり、下に行ったり。
私は、それを眺めている。


 ステキな旅じゃないか
 滑ったり
 転んだりする僕を見ておくれ
 必要以上にがんばることはない
 ステキな旅を楽しもうじゃないか
  <James Taylor / Secret O' Life>
posted by sand at 04:13| 超短編小説@ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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