2005年03月08日

We are the Village Green Preservation Society@

We are the Village Green Preservation Society.jpg

「何が救えるのかしら?一体、何が救えるの?」
玲子さんは、TV画面を眺めながら、そう、つぶやいた。

私と玲子さんは、玲子さんの部屋でTVを観ていた。
「ねぇ。真一郎君」玲子さんは、私の名を呼んだ。

「何が救えるのかしら?一体、何が救えるの?」もう一度、今度は私に聞いてきた。

玲子さんは、言った事を秒速で忘れてしまう人なので、適当に答える事にした。
「すくうんですか?金魚なら、すくった事ありますが」

「バカ言いなさい!誰が金魚すくうのよ!誰が縁日に行くのよ!だいたい、あれは酸素代とかエサ代とか結構、高くつくのよ!憶えておけよ、あの親父!って、そうじゃないでしょ!救うの!救済!援助!
私は、この身を犠牲にしてでも、世界の救済に立ちあがる事にしたわ。今、決定したのよ。」
と玲子さんは、一気にまくし立てた。

玲子さんは、数々の「トッピな行動」を思いつきで実行して、廻りの方に多大な迷惑をかけて来た。
今回も、また、その癖が出たようだ。私は、胃がシクシク痛んだ。

「おお。そうでしたか。でも、今夜ゆっくり考えて、明日行動しましょう」私は、明日になったら忘れている事を祈って、そう言った。

「バカ言いなさい!今夜、世界では、数多くの命が失われているのよ!それを、あなたは、TVの前に寝っ転がって、柿の種、食ってるって言うの!そんなのナンセンスだわ!ナンセンス〜〜!
今夜、世界を救済するのよ!それが神から私達に与えられた試練なのよ!
あなた!それでもVillage Green Preservation Societyの一員なの!」

玲子さんは、キンクスのファンだ。残念な事に・・。
キンクス以外は、音楽と認めていない。それどころか、全ての行動は、Village Green Preservation Societyの規範にそって行われるのだ。その規範は、彼女が気分で作って行くんだけど・・。

私は観念して、一番、被害が少なそうな対象を選ぶ事にした。
「そうですね〜。<うさぎ>は、どうでしょう?<うさぎ>なら救えそうだと思いませんか?」

玲子さんは、しばらく、腕組みをして考えていたが、やがて太陽のように明るい顔をして、こう言った。
「<うさぎ>ね。Good ideaかもよ」
その後、ニッタリ笑った。

私は、この女、間違いなくバカだと確信した。
posted by sand at 11:31| 超短編小説・怜子物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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