2006年10月21日

猫のミーコとの愛欲の日々(Too Lonely...)

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Neil Young & Crazy Horse / Life

 寂しい、寂しい…
男は、どうしようもなく寂しかった。

 男には家庭があった。健康的で明るい性格の妻とオテンバの姉と物静かな妹の二人の娘。
 それでも男は気がつくと呟いていた。「寂しい、寂しい…」

 男は自分で経営する会社を持っていた。長く良心的に働いてくれる心優しい従業員達。男の携わる商品を全面的に信頼し、変わらぬお付き合いを続けて頂けるお客様。
 男は出来すぎた宝物を手にしていた。それでも男は「寂しい、寂しい…」

 男は深夜、自分のベッドを抜け出すとバスルームに、こもって泣いた。
「寂しいよ〜、寂しいよ〜、ボク寂しいよ〜。ママ、ボクを一人にしないで。ママ、ボクを一人にしないで…」

 男は庭付きの一戸建を持っていた。郷里には別荘を持っていた。3000枚近い洋楽CDのコレクションを持っていた。仕事先にプライベートに、またインターネット上に少なくは無い友人を持っていた。男は、妻の知らない女友達を複数持ち、こそこそと逢引を重ねた。

 それでも、それらは男の空白を埋める物では無かった。何をしても、誰と一緒にいても「寂しい、寂しい…」。男の口から、その言葉が消える事は無かった。

 男は車を運転している途中、猛烈な孤独感に襲われる事があった。男は、慌てふためいて車を路側帯に止め、助手席のシートに顔を突っ込んで叫び声をあげ続けた。
「助けて〜!助けて〜!もうダメだ〜!もうダメだ〜〜!」
 男は引き裂かれるほど、寂しかったのだ。



☆脱力3部作、第三話。続きは、後ほど。

新規の依頼は、やっぱり断りました。ん〜残念。


posted by sand at 12:41 | TrackBack(0) | 超短編小説C | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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