2007年01月07日

Daryl Hall & John Oates的空間

H2O.jpg
Daryl Hall & John Oates / H2O

 我々は、空間に生きる。そこに暮らし、そこに死ぬ。
それは、過去から未来へと数珠繋ぎに連なり、絡み合い、移り変わる。
ある時、君の脳裏に、裏通りを照らす街灯のようにポツンと明かりが灯る。
「Daryl Hall & John Oates的空間とは?」

 君は、高くそびえ立つタワーの前に立っている。
見上げるとタワーの頂上近くに展望台が設置され、人々が君を見下ろしている。
 君はタワーのロビーに足を踏み入れる。そして、展望台までノンストップで駆け上がるエレベーターの前に立つ。
 君は下を向いて考え事をしている。やがて、エレベーターの扉が開く。
君は、下を向いたまま、そこに乗り込む。
 
 ようやく顔を上げた時に君は気付く。
そこにはDaryl HallとJohn Oatesが二人並んで立っている。他には誰もいない。
君の後ろで扉が閉まる。
 君は、そこから逃げられない。

 君はDaryl Hall & John Oatesと目を合わせないように扉の方向を向いて息を潜める。でも、君はDaryl Hall & John Oatesから逃げられない。
 何故なら、そこはDaryl Hall & John Oates的空間だから。

 Daryl Hall & John Oatesの二人は、理不尽なほどに真剣な眼差しで立っている。飛び出すほどに見開かれた瞳には、たぎる程の情熱が猛烈に燃え盛っている。そして二人は顔から滝のような汗をかいている。顔面から、ほとばしる汗は濁流のように頬を流れ落ち、やがて派手な柄のシャツをグッショリと濡らしている。

 君は、Daryl Hall & John Oatesに含まれる。彼らにもてあそばれ、彼らに撫で回される。彼らに蹂躙され、彼らに慰められる。彼らに溺愛され、彼らに甘やかされる。彼らに不必要なほど癒され、泣きたくなるほど楽しまされる。

 君は震えて立ち尽くす。君の頬からも大粒の汗が滴り落ちる。焦げつくほどの熱気がエレベーターの中に充満し、君はジリジリと最後の瞬間へと追い詰められて行く。

 長い長い苦痛の末に遂に扉が開いた。展望台に到着したのだ。
君は、決して後を振り返らずに展望台のトイレに駆け込む。君は、そこで何度も嘔吐する。
 ようやく気分が落ちつき、トイレの扉を開ける。
そこにはDaryl Hall & John Oatesが汗だくで立っている。

 君は、そこから逃げられない。
posted by sand at 21:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 超短編小説C | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かにジョンオーツは暑苦しいですね。彼にじっと見られたら息苦しくなるかもしれない。でも、声は、結構品があると思いますが、どうでしょう?外見では圧倒的にジョンオーツが暑苦しいけど、実はダリルホールの方が暑苦しいかも・・・。彼らのバックバンドはほとんど同じメンバーのままですが、彼らも逃れられないのでしょうか?
Posted by ITORU at 2007年01月08日 13:31
こんちは。これは、ちょっと悪ノリでした。ファンの方に申し訳ない。
オーツには熱心なファンが多いですよね。良い声です。このH2Oも良い出来でした。『ワン・オン・ワン』が好きです。
バックにはGEスミスがいましたね。EGスミスだっけ?あの人の暑い男だったな〜。
Posted by sand at 2007年01月08日 17:48
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