2005年06月03日

暗黒星の秘密A

モーゼル.jpg

数回の銃声が響いて1発はフロントのサイドミラーを粉々に打ち砕いた。アライグマ男は、ハンドルを左右に切って蛇行を繰り返した。埼玉ネコは、左手を窓から突き出してベレッタを数発発射したが、敵も左右に揺れ動いて目標を捕らえきれない。
もう一度、敵は発砲してリアガラスを粉々に吹き飛ばした。二人に怪我は無かったが、リアガラスが吹き飛んで敵に室内が丸見えになってしまった。

アライグマ男は、バックミラーで敵の場所を確認すると「替われ!」と怒鳴ってハンドルから手を離した。
埼玉ネコは、飛びついてハンドルを押さえた。
アライグマ男は、振り向き様にモーゼルを1発発射した。轟音が車内に響いた。
アライグマ男の放った弾丸は、吸い込まれるように運転手の眉間を貫いて後頭部を綺麗に吹き飛ばした。

敵の車はコントロールを失って、ガードレールに接触し火花を上げながら数メートル進んだ後、電柱に激突し、フロントを大破して止まった。

アライグマ男は、ハンドルを握り直すとブレーキを踏んで車を止めた。
「たいした腕だ」埼玉ネコは、感心してアライグマ男に言った。

「命は、カゲロウのようだ。捕まえようと焦れば焦るほど、両手の隙間を飛び去って行く」
アライグマ男は、そう言うとモーゼルを構え、ドアを開けて外に飛び出した。

「詩人のガンマンか。痺れるね〜」埼玉ネコは、惚れ惚れしながら後に続いた。
posted by sand at 03:57| 連作小説・暗黒星の秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。