2005年06月21日

暗黒星の秘密H

「星を継ぐ者は四つに別れた<暗黒星のカケラ>を左腕に宿り受ける。その者、死に至る場合、次なる星を継ぐ者の元に<暗黒星のカケラ>は宿り歩く。
Funkadelic婆は、前に座った埼玉ネコに言った。

Funkadelic婆の占い小屋は、港に近い繁華街の一角にあった。午後の繁華街は、ひっそりとして錆びついた匂いが漂っていた。
Funkadelic婆は、何歳なのか想像も出来なかった。腰まで垂れた汚らしい白髪、深くえぐり込むような皺だらけの顔。しかし体つきや肌のハリは驚異的に若々しく感じられた。

「魔術師ロイ・ハーパーに操られた魔獣ケラウズランブラを倒すために、四人の聖者が現れる。彼らは<暗黒星>の力を用いて魔獣ケラウズランブラを石に変え、魔術師ロイ・ハーパーの首をはねた。

しかし彼ら四人は<暗黒星>の力を恐れた。それは、あまりに強い力じゃった。彼らは<暗黒星>を四つに割り、それぞれのカケラを自分の物とした。
<暗黒星>を悪事に利用させぬよう、また、後に惨事が勃発した際には、もう一度四人が集まって、それを救おうとしたのじゃ。

彼ら四人は死ぬ際、それぞれの血族の<星を継ぐ者>の左腕に、その<暗黒星のカケラ>が宿り続くように呪文をかけた。彼らは後世の危機救済をそれぞれの<星を継ぐ者>に託したのじゃな。

その四人こそが、今に伝わる旧家<ペイジ家><プラント家><ジョーンズ家><ボーナム家>の創始者じゃった。

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それから、その四家の<星を継ぐ者>の左腕には<暗黒星のカケラ>が宿る続けていると言われている。その時代の<星を継ぐ者>が死ねば、次ぎの時代の<星を継ぐ者>に宿る続く。

もちろん、外部にこの事を知る者はいない。わしの血族は、古くからこの四家の専属占い師を務めてきた。当然、わしもそうじゃった。

「しかし、四人がかけた呪文には例外があると言い伝えられている。
<星を継ぐ者>の左腕を生きたまま切り離せば、<暗黒星のカケラ>は永遠に切り離された左腕に留まってしまう。つまり、その左腕自体が<暗黒星のカケラ>となってしまうのじゃ。」


埼玉ネコは口を挟んだ。
「その左腕を四本集めれば<暗黒星>を動かす事が出来るんだな」

Funkadelic婆は、うなずいた。

「では、何故1000年も待つ必要があった?誰かが、その気になれば、これまでにも四本の左腕を集める事が出来た。魔術師ロイ・ハーパーの呪いか?」埼玉ネコは言った。

「それは、わしにも分からん。だた時が訪れたのじゃ。その時が訪れたのじゃ」Funkadelic婆は首を振りながら言った。

埼玉ネコは、Funkadelic婆に突っかかるように、こう言った。
「婆さん、何か隠しているな。その迷信の裏にあるリアルで血に匂いのする、もう一つの歴史だ」
posted by sand at 04:32| 連作小説・暗黒星の秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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