2005年06月21日

暗黒星の秘密I

「婆さん、何か隠しているな。その迷信の裏にあるリアルで血に匂いのする、もう一つの歴史だ」

Funkadelic婆は激昂して切り返した。
「黙れ!若造が!お前に何が分かる?何が分かると言うのじゃ。いいか良く聞け。お前は、現実と言う物を複雑に絡み合った細い糸のように考えているようじゃが、そんな柔な物ではないぞ!現実とは。現実は、お前が考えているよりも遥かに太くて強い。誰もが身動き出来ないほど強靭な物なのじゃ」

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Funkadelic婆の語った話によれば左腕を狙う者達は次ぎのようなる。

1.左腕の秘密を知る<ペイジ家><プラント家><ジョーンズ家><ボーナム家>の四家の中で、<暗黒星>復活そして独占を狙う者。もしくは共謀した複数の者達。

2.左腕の秘密を知り<暗黒星>強奪を狙う全くの第三者。

3.左腕の秘密を知り<暗黒星>強奪を狙い、四家への復讐を誓う魔術師ロイ・ハーパーの魂を受け継ぐ者。もしくは逃げ延びた血族。(ライオネル・リチ男?)

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埼玉ネコはFunkadelic婆に話始めた。
「旧家の四家が莫大な資産と膨大な権力を手にしている事は間違いない。
長年、ヤツらは日夜パーティに明け暮れ贅沢の限りを尽くして来た。ヤツらは腑抜けで無能だった。
しかし、ヤツらの資金は費えなかった。まったく働く事なく、ヤツらは大金を手にし続けた。
何故だ?何故そんな事が長年に渡って続ける事が出来たのか?

ヤツらは金の成る木を持っていたからだ。それこそ暗黒星だ。

四家の創始者は、金を産み出すシステムを形作り、人の目に触れぬように、それを後世まで隠し続けた。一説には裏金融とも隠し鉱山とも犯罪を含む裏組織とも言われている。
英雄伝説の裏でヤツらはブラック・マネーを作り続けた。そして、それを湯水のように使って来た。
ヤツら四家は安泰だった。誰にも不満はなかった。
ジェームス・ペイジが現れるまでは。

ペイジは、他の誰とも違っていた。ペイジには野心があった。ヤツは乱交パーティなどには一切興味がなかった。
ペイジは、莫大な資産を運用し、さらに強固な資金力を作り上げ、それを後ろ盾に財界・政界を牛耳る事に成功した。文字通りペイジはトップに立った。

ペイジの成功で四家の均衡は崩れる事になった。我道を行く<プラント家>はともかく、<ジョーンズ家><ボーナム家>の凋落は目に余った。

ペイジは彼らを出し抜いて<金を産み出すシステム>(暗黒星?)を独り占めしたのではないか?

ペイジを抹殺し<暗黒星>を取り戻そうとする者が現れて当然だ。
この脅迫の裏にあるのは、勇猛な英雄伝説などではなく金を巡る貪欲な連中のトラブルだけだ。
どう思う?俺の考えは?」

Funkadelic婆は、目を閉じたまま言葉を返した。

「お前は、この事態を傍観者のように、とらえているようじゃな。お前は自分をただの雇われ探偵だと思っておる。
しかし、それは違うのじゃ。お前は何も分かっていない。
お前は来るべくして、ここに来ておるのじゃ。
わしは、お前を子供の頃から知っている。お前の母親もじゃ。
そして・・」

Funkadelic婆の言葉を遮るように埼玉ネコは口を挟んだ。
「俺には父親はいない」

Funkadelic婆は、首を横に振りながら話を続けた。
「それは違う。父のいない子供はいない。お前は、その事を知る事になる。それほど遠くない将来にじゃ。」
posted by sand at 15:43| 連作小説・暗黒星の秘密 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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