最近、聴いてるのはのWilcoの新譜とCrowded Houseの『Time on Earth』ばかり。どちらも落ち着いた作りで決して派手ではない。
Crowded House14年ぶりの新作は、前作(と言っても14年前だが)Together Aloneの世界観をより深化させ、精神性に重きを置いた重厚な手触りを感じさせる作品に仕上がっている。実際、空白の14年間にオリジナルメンバーの死もあった。
ただ、Crowded Houseが『Don't Dream It's Over』から持ち続けた清涼感とも言える独特の持ち味は不変だった。じっくりと沁み込むような歌と演奏なのだが、不思議と重苦しくは無い。実に風通しが良く、颯爽とした佇まいさえ感じさせる。この辺りは、Steve Winwoodにも通じる世界かもしれない。(Winwoodは、昔からCrowded Houseを高く評価していた)
何度、聞き返しても飽きるどころか、少しずつ少しずつ色や形が変わっていく錯覚を覚える。まるで万華鏡のように。
80年代に『Don't Dream It's Over』を聴いた時、やはり万華鏡のイメージを持った。あの頃、我々は共に若く、希望や不安を四方に振り撒いていた。それらは、まるで無軌道な万華鏡だった。
そして、あれから30年。我々は枯れ果ててしまった。だが、よく目を凝らせば我々は今でも揺れ動いている。色も光も弱まってしまったが…。
多分、それらを持ち続けている。

Crowded House / Time on Earth
Crowded House-Don't Stop Now