2006年12月17日

Father Christmas(イントロ)

Father Christmas kinks.jpg
The kinks / Father Christmas

☆本日は参加させて頂いている超短編小説会さんの年末企画『2006年超短編小説会年末祭』への投稿用に1篇書きました。(名前を伏せて発表するようなので、今は公開しませんが)
ここでは、そこでボツにした(長くなりそうだから)ヤツを連載しようと思っています。1年ぶりの怜子さんシリーズです。では、お時間がございましたら。イヴの夜までには終わらせたいです。ちなみにタイトルはザ・キンクスのシングルで発表された曲から
posted by sand at 16:27| 超短編小説・怜子物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月09日

We are the Village Green Preservation SocietyA

Phobia.jpg

玲子さんは、私が運転する車に乗っていた。
車内には、93年の「Phobia」が大音量で流れていた。

「あのね〜〜!ど〜〜して小学校の<うさぎ>とか連れて行くの〜〜!」我々は大声で話をした。

「バカ言うな!!解放だよ!解放!連れてくんじゃねぇよ〜!!」玲子さんは、怒鳴った。

「あ〜疲れる。ボリューム下げるわ。」私は、ボリュームを下げた。
「で、どうして小学校のペットを解放する?」私は聞いた。
「そこに小学校が、あるからさ。」
「ウソだ。さっき動物園は暗いから嫌だって言ってたやん。」
「そんな事言ってない!解放とは、時と場所を選ばない。そう言う事だ。」
「しかし、飼育してる小学生は泣くぜ」
「バ〜〜カ!別れの辛さを知って、また1つ大きくなるのさ。小学生。」
「あんた、そんな性格じゃ、絶対、社会で通用しないよ!」
「ふん!度胸と美貌があれば、だいたいの橋は渡れるのさ。」
「むぐぐ・・」
私は、言葉に詰まった。確かに玲子さんは、綺麗だった。
私は、その美貌に、まいっているのだった。
性格の悪さにも、まいっていたが・・。

小学校に着いて、我々は、うさぎ小屋を探した。
うさぎ小屋は、すぐに見つかって、鍵もかかていなかった。
玲子さんは、うさぎ小屋に入り込むと中にいる一匹の<うさぎ>を抱いて外に出てきた。私も一匹連れていこうと中に入りかけると、頭を叩かれた。早く行くぞと玲子さんは、手で合図した。

車に戻って、私は玲子さんに聞いた。
「どうして、一匹しか解放しないんですか?それじゃ解放とか言わないよ。誘拐だよ。誘拐。」
「どあほ!私は一匹しか抱けないの!私に10匹も20匹も抱けって言うのかよ!無理だよ!」
「だから、それって誘拐じゃないですか?せめて2〜3匹は解放してもらわないと」
「バカだよ!おまえ!解放とは、人それぞれ、与えられた容量ってのがあるんだよ。80メガの容量の人が100メガの解放とか出来ないの。そういうの何って言うのか知ってる?君、知らないよ。絶対。そう言うのはね。<ありがた迷惑>って言うんだよ。」
「絶対、違う!そんな言葉使わないよ。その用法、間違ってるって!」
「うるさいわね!もう解放場所に着いたよ。」

我々は、市民の森に到着して、<うさぎ>を野原に放った。
でも<うさぎ>は、どこにも行かず、その場で、キョトンと立ち尽くしている。
私は、玲子さんの肩を抱いて、もう行こうと促した。

しかし、玲子さんは、いつの間にか、ポロポロ涙を零している。
そのうち、「あ〜〜可哀想な<うさぎ>さん。私が保護してあげる〜〜。」とか言って、<うさぎ>を抱きかかえた。

帰りの車には、玲子さんと抱かれた<うさぎ>が一緒だった。
「ちょっと、それって、絶対、犯罪だよ。盗難だって」
私は、玲子さんに言った。
「バカヤロウ!薄情者。<うさぎ>は、一度、私によって解放されたの。その後、私に無事、保護されたんだよ。盗難じゃねぇよ!」
「本当にバカなんだから・・」私は小声で言った。

そのうち玲子さんは、<うさぎ>を抱いてスヤスヤ眠ってしまった。
その寝顔が、あまりにも可愛かったので、玲子さんの頬に、こっそりキスをした。
それを<うさぎ>が、ぼんやり見ていた。
私は、<うさぎ>に向かって中指を立て「今日からライバルだな。」と小声で言った。
posted by sand at 02:57| 超短編小説・怜子物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月08日

We are the Village Green Preservation Society@

We are the Village Green Preservation Society.jpg

「何が救えるのかしら?一体、何が救えるの?」
玲子さんは、TV画面を眺めながら、そう、つぶやいた。

私と玲子さんは、玲子さんの部屋でTVを観ていた。
「ねぇ。真一郎君」玲子さんは、私の名を呼んだ。

「何が救えるのかしら?一体、何が救えるの?」もう一度、今度は私に聞いてきた。

玲子さんは、言った事を秒速で忘れてしまう人なので、適当に答える事にした。
「すくうんですか?金魚なら、すくった事ありますが」

「バカ言いなさい!誰が金魚すくうのよ!誰が縁日に行くのよ!だいたい、あれは酸素代とかエサ代とか結構、高くつくのよ!憶えておけよ、あの親父!って、そうじゃないでしょ!救うの!救済!援助!
私は、この身を犠牲にしてでも、世界の救済に立ちあがる事にしたわ。今、決定したのよ。」
と玲子さんは、一気にまくし立てた。

玲子さんは、数々の「トッピな行動」を思いつきで実行して、廻りの方に多大な迷惑をかけて来た。
今回も、また、その癖が出たようだ。私は、胃がシクシク痛んだ。

「おお。そうでしたか。でも、今夜ゆっくり考えて、明日行動しましょう」私は、明日になったら忘れている事を祈って、そう言った。

「バカ言いなさい!今夜、世界では、数多くの命が失われているのよ!それを、あなたは、TVの前に寝っ転がって、柿の種、食ってるって言うの!そんなのナンセンスだわ!ナンセンス〜〜!
今夜、世界を救済するのよ!それが神から私達に与えられた試練なのよ!
あなた!それでもVillage Green Preservation Societyの一員なの!」

玲子さんは、キンクスのファンだ。残念な事に・・。
キンクス以外は、音楽と認めていない。それどころか、全ての行動は、Village Green Preservation Societyの規範にそって行われるのだ。その規範は、彼女が気分で作って行くんだけど・・。

私は観念して、一番、被害が少なそうな対象を選ぶ事にした。
「そうですね〜。<うさぎ>は、どうでしょう?<うさぎ>なら救えそうだと思いませんか?」

玲子さんは、しばらく、腕組みをして考えていたが、やがて太陽のように明るい顔をして、こう言った。
「<うさぎ>ね。Good ideaかもよ」
その後、ニッタリ笑った。

私は、この女、間違いなくバカだと確信した。
posted by sand at 11:31| 超短編小説・怜子物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。