2008年10月19日

夏時間

The Stranger.jpg
Billy Joel / The Stranger

☆久しぶりに書きました。超短会への10月同タイ投稿用です。やっぱ書くのは面白いです。


 10月の中ごろ、忘れかけていた夏休みを会社から貰った。
あれは25か26歳の頃で、休みの直前になって、その頃付き合っていた彼女と大喧嘩をした。
僕は一人で実家に戻り、何のあても、計画も無く、無為な休暇を過ごした。それは、その夏に存在した高熱や歓喜を無残にもぎ取られた残骸のような休暇だった。

 実家に戻った僕は、押入れの奥にに仕舞い込まれた学生時代に聞いていたレコードを引っ張り出した。ローリング・ストーンズ、ニール・ヤング、ホール&オーツ、ロックパイル、ビリー・ジョエル…。
 そして本棚で埃だらけになっていた文庫本を手に取った。筒井康隆、大藪春彦、J・D・サリンジャー、ギャビン・ ライアル…。
 僕は深夜まで古いレコードを回し続け、かびた匂いのする本の頁をめくり続けた。僕はいつしか、この家のどこかに置き去りにしてきた、あの夏のひと時を味わっていた。10代の青年が持つ偉大なる退屈さと壮大な思い違いに想いを馳せた。留まる事を知らない妄想とシャボン玉の膜のように薄っぺらい自尊心を噛み締めた。
 秋風の吹く中、僕は狭い部屋の中に沸々と湧き上がる、あの夏の日の熱気に酔っていた。そして僕はビールを飲み、性質の悪い酔っ払いが誕生した。

 朝。母が僕を起しに来た。朝飯を食べろと言うことらしい。母は学生時代と同じようにガチガチになるまで焼いたアジの開きをテーブルに並べた。そのアジの開きは昔と同じようにキャッチャーミットの味がした。僕は缶ビールを持ち出し、朝から一気飲みした。
「ねぇ。今日の予定は?」朝食の最中に母が聞いてきた。
「レコードを聴いて、本を読む」
「それから?」
「それから、ゴロゴロする」
「充実した一日ね」母は甲高く笑った。

 僕は朝食を食べながらビールを飲み続けた。朝の日差しがサッシ越しに僕の身体を包み込んだ。僕はお箸を放り投げて、のそのそと起き上がった。
「散歩行ってくる」僕は母に告げた。
「達者でな」母は甲高く笑った。僕は首をひねった。あの年代特有の笑いのツボが理解出来なかった。

 良い天気だった。僕は酔いも手伝って、浮かれたように歩道を歩いた。玄関先の植え込みから金木犀の良い香りが漂っていた。僕はフラフラと歩きながら、もう少し行くと、学生時代に付き合っていた女の子の家があるな。とボンヤリ思った。僕はある時期、頻繁にその家の前で彼女を待った。玄関先に彼女の顔が見えると僕の胸は高まった。
 そこで彼女を待ってみようと思った。確か彼女は結婚して、その家を離れた。と聞いていた。ちょうど良い。ちょうど良い暇つぶしだ。僕は何年も前に別れたガールフレンドを待つことにした。

 彼女の実家は少しも変わっていなかった。僕は2〜3軒離れた家の生垣にもたれた。そこが定位置だった。僕は数年ぶりに彼女の帰りを待った。煙草を2本灰にした。でも彼女は戻って来ない。当然だ。僕はそれを確認して、そこを離れようとした。
 軽自動車が僕の前を通り過ぎて、彼女の実家の車庫に納まった。降りてきたのは彼女だった。髪を後ろに束ねて、カーディガンを羽織っていた。いくらか歳を取ったが綺麗に見えた。玄関先で彼女は僕に気がついて視線を合わせた。僕は微笑みながら小さくお辞儀した。彼女は、それを無視して家に入った。

 僕は首を振って歩き出した。無理もない。平日の朝、普段着の酔っ払いだ。どう考えても怪しすぎる。
 背後から彼女の声が聞こえた。小走りで僕を追ってきた。
「なんの用」彼女は僕に追いつくと怖い顔をして言った。
「夏休みなんだ」僕は、つとめてシリアスに言った。
彼女はカーディガンを触りながら「南の島から現れたってわけ?」と言った。

 僕は手短にこの休暇の経緯を話した。彼女は怪訝そうな顔をしながらも、話を聞いてくれた。それから子供は保育園に預けてきた。今日はパートの仕事が休みだと言った。
「川で話そうか。どうせ暇なんでしょ」彼女はそう言うと先に立って歩き出した。

 この町には大きな川が流れている。この町の住人は引き寄せられるように、その川に集まった。川のほとりで愛を語り、川のほとりで子供を育んだ。川のほとりで別れ話を切り出し、川のほとりで一人泣いた。
 彼女は河川敷のベンチに腰を下ろした。僕は少し離れた場所に立って彼女の横顔を眺めた。彼女は無言で川の流れを見つめていた。肌は荒れて、目には力がなかった。彼女は僕よりずっと年上に見えた。僕よりずっと疲れているように見えた。

 彼女は大きなため息をついた後、事情があって旦那と離れて実家で暮らしている。と早口で言った。そして、また無言で川を見つめた。
 僕は詳しい事情を聞くべきではないだろう。僕はただ彼女の前を通り過ぎようとしてるだけだ。

 僕は話題を変えて、船着場に浮かぶ二人乗りのボートを指差した。
「ほら、あそこ。あのボート、二人で乗ったの覚えてる?」
「うん。乗った」彼女はボートに視線を合わせて遠い目をした。

「そこで二人でポッキーを食べた」
「うん。食べた」彼女はうなずいた。

「そのポッキーはチョコレート味だった」
「違う。サラダ」彼女はその日初めて微笑んだ。

 彼女は微笑みながら僕に向かって話しかけた。
「恋人できた?」
「うん。一人だけ」
「一人で充分よ」
「多感な年頃なんだ」
「そういうの人はスケベと呼ぶわ」
「性的にアグレッシブとも呼べる」
「バカ」彼女は大きく背伸びした。ホカホカした太陽の光が彼女の頬を照らした。彼女は気持ちよさそうに目を閉じて微笑んだ。笑うと彼女は昔のままだった。何も変わっていない。変わったのは世界だけだ。世界が僕たちを置き去りにした。僕はそんなことを思った。

 彼女はしばらく目を閉じたまま日の光を浴びていた。小声で「バカよね〜。みんなバカ」と、つぶやきながら。
「あなたと会って良かったかもしれない」彼女は目を開いて僕に言った。
「間違いなく正解だよ」
「か・な・り、怪しいけど」彼女は声を出して笑った。そして立ち上がった。

「じゃあ。私、戻るわ。ここでお別れよ」
「うん。お元気で。今日はありがとう。会えて良かった」
「ありがとう。失礼します」彼女はお辞儀して、僕の前から歩き去ろうとした。

「あの」僕は彼女を呼び止めた。彼女は振り返った。
「なんか大変そうだけど、頑張って」
彼女は視線を逸らして考え込んだ後、こんなことを言った。
「ねぇ。ポッキーの味、覚えていてね」
「サラダ」僕は少し大きな声で言った。
「そう。サラダ。忘れないで」彼女は言い残すと、二度と振り返らず、自分の道を歩き去った。

 彼女は視界から消えると川淵まで降りて、川の流れに指先を差し伸べた。
遠くから眺める川は、ゆったり流れているように見えるが、実際の川の流れは急で激しかった。
 その水流は、僕の指先を少しだけ染めた夏色をした時間を、剥ぎ取るように奪い去って行った。

Billy Joel - Just the Way You Are
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2008年10月14日

眠れる路のオヤジ

Heathen.jpg
David Bowie / Heathen

 心細くて、心細くて、今にも泣いてしまいそうな夕暮れ時、妻にお使いを頼まれてスーパーに行きました。

 オヤジが一人、入り口付近に倒れていました。でも誰も驚いたり、助け起こしたりしません。なぜなら、そこを通る買い物客は皆、オヤジが寝ていることを知っているからです。

 オヤジが倒れている(寝ている)場所のすぐ横にはベンチがあって、そのベンチの上に日本酒のカップが良く見える位置に置いてあったからです。ああ、あのオヤジは酔っ払って寝転がっているんだ。
みんなは一目でそれを理解します。そして何事もなかったようにオヤジを素通りして行くのです。

 僕は、オヤジの心配りというか、配慮というか、セルフプロデュースといいますか、そういったものに心底心を打たれました。

「ああ、僕もあんな風に駄目になってしまえたら…」僕は深い深いため息をついたのでした。

 それからオヤジに近づいて顔を覗き込んでみました。
かわいい寝顔でした。

 年のころは65〜6歳。駄目人間として脂の乗った年頃です。髭とゲロだらけのお顔を注意深く眺めると良いお顔をされています。
 僕はオヤジの酒で華奢になった身体を抱きかかえ、泡吹く唇を奪ったのでした。

 オヤジをお家に連れ帰った僕は、彼にカーデガンを着せて幸せに暮らしましたとさ。なに?

 どーでも良い話はこれくらいで、下の娘がまたトラブった様子。悩みはつきません。あれもこれも、まとめてタフにならないとですね。

 タフといえばボウィ氏の100年ぶりの愛聴盤が誕生したのを、謹んでご報告しなければなりません。ついに蘇ったボウィ氏『Heathen』でございます(ずいぶん前の作品だけど)。この良さに最近になって気がつきました。これはスケアリー・モンスターズ以来の傑作でございます(あくまで自分の中で)。もう毎日のように聴いてるのが、MIXIのステーションを見ればお分かりになろうかと思います(見る必要ないけど)。

 たぶん僕がボウィ氏に憧れを抱いたのは、彼が路の真ん中で倒れていたからに他なりません。ダンスを踊ったり、マシーン連中を引き連れたり、ハウスの手習いなどでは無かったのです。路の真ん中で真っ裸で倒れていたからなんです(前半と強引に繋げたな〜)
 どこが違うのかは漠然としてますけど、切迫感みたいなもんが曲を後押ししてるんです。最初に切迫感ありきの人なんすかね。

David Bowie - Slow burn
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2008年10月04日

近況のような日記

Agents of Fortune.jpg
Blue Öyster Cult / Agents of Fortune

 時間が出来たら、笑えるヤツを書いてやろうと、いくつかネタを考えていましたが、今日は(時間が出来た)そんな気分になれませんでした。

 近況など。母は近くで一人暮らしが出来るようになりました。本当の気持ちは分からないのですが、恩を感じてるらしく、前の男たちとは、とりあえず手を切ったようです。
 私は毎日、母の部屋を訪ねて、昼ごはんを一緒に食べたり、買い物に行ったり、昼寝したりしています。
 10年以上、交流が無かったのですが、わりと普通に親子できるようになりました。こんなことが本当におきるとはね。ちょっと信じられない(実は心の中で漠然と今のような状況を夢想していましたが、それがまさか本当になるとは)。

 やはり母は精神疾患の身体障害者なので、見た感じから普通の人とは違います。娘たちは、まだそのことを受け入れられないようです。それは仕方の無いことです。母はそれで失望していますが、物事には時間が必要です。たぶん。

 新しい環境にも慣れてきたので、再び仕事を頑張らないといけません。なにもかも半端に投げ出してしまっています。

 しかし、不景気になりました。倒産やリストラで職を失った人を頻繁に見かけるようになりました。子供の学費が払えないお母さんと話す機会が多くなりました。明日は我が身。出来ることをコツコツ積み上げて行かないと。では、また。

 ここんとこ音楽はアレコレ聴いてますが、今朝、聴いてあまりの素晴らしさに唸ってしまったのが、Blue Öyster Cultの『(Don't Fear) The Reaper』でした。これはヘビメタ方向よりテレビジョンやパティ・スミスのニューヨークパンクから入った方が近そうです。名曲。

Don't Fear the Reaper - Blue Oyster Cult
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2008年09月08日

It Don't Come Easy

Blast From Your Past.jpg
Ringo Starr - Blast From Your Past

 お久しぶりです。もう誰も見てない。
あれから、どうなったのかと言うと(ありがたいコメントいただきながらPCに向かう気持ちになれませんでした。すいません)母のことですね。

退院→転院→同居→近所にアパート探し→引越し→転居手続き。
と、ここまで来ました。間にいろいろありましたが、すべて忘れたい。なぜなら、これからも、いろいろありそうだから…(母の周囲には、堅気の人間はいません。みんな、これもん、ですよ。ああ…)

 さて、気を取り直して、のんびりやりましょう。どうにかなるさ。全然、楽じゃないけどね。それは、みんな一緒だし。どの場面にも、どの瞬間にも『おかしみ』は転がっている訳だから、それを見逃す手はないさ。
 
 かのリンゴ・スターさんが『It Don't Come Easy』と歌っていたので、そういう事なんでしょう(良い曲だし)

 母は頻繁にウンコを漏らすようになりました。私は、それを拭いて回ります。でも、それが、ちっとも汚いとは思わないんだよね。不思議なことに。
 汚くはないけど、ただただ哀しくなります。母と子とは、そんなもんじゃないの? 詳しくは知らんけどさ。


この動画はconcert for bangladeshですね。エエよ〜。

Ringo Starr- It Don't Come Easy
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2008年08月13日

星に安い願いを

Simply Red.jpg
Simply Red / Stars

 長く生きていると、半端な願いなら、いつも間にか、叶ってしまうような気がします。それほどの気もないのに、うっかり願ってしまって、うっかり叶ってしまった。ヤレヤレ…と言う事が往々にしてあるものです。
 しかしながら大きな願いには、まるで無視されたままです。金持ちになるとか、ヒット商品を開発するとか、メチャクチャ良い女にホレられるとか、そういう大物には、まるで縁がありません。

 どうでも良いような小願いばかりが無駄に叶ってしまうのです。予定調和の無駄使い。拝み倒しの大安売り。それが叶ったところで、2時間ほど気分が良いだけで、現状には何の解決にもなりません。

 来週、母が退院します。そして、あの破壊だけを宿命付けられた女が僕の街にやってきます。これから、あの忌まわしき気苦労をもう一度背負いこむことになります。
 それもこれも僕が願ってしまったからです。あの今にも死にそうな母の顔を見て、僕は願ってしまったのです。
『どうか、このバカな女ともう一勝負させてください。このまま死んだら僕は一度も勝つことなく終わってしまうのです。どうか、この人を助けてください。お母さんを助けてください』

 母は助かりました。驚異的な回復を見せたのです。

僕はベットの上にぼんやりと佇んでいる母に言いました。
「おふくろ。俺の近くに来い。いろいろあったけど、それもこれも必要なことだったと思うよ。それでお互いに成長することが出来たと思うんだ。これから、俺があんたの面倒をみるよ。出来るだけのことを、してやりたいんだ。だから仲良くやろうや。俺が子供の頃のように、仲良くやろう」

母はベットの上から僕を冷ややかに見下ろして言いました。
「お前が、そこまで言うなら、行ってやってもいいよ。ただし、引越し費用はお前持ちだ。いひひ」

 昔、Simply Redは、どうも好きになれなかったのです。確かにソウルフルではあるけど、どこか嘘っぽいし、安っぽい気がしました。アレサ・フランクリンとかカーティス・メイフィールドとか、そういう人に失礼なんじゃないかと思ったりもしました。(何が失礼なのかと言うと、『あり方』と言いましょうかね)

 最近、『Stars』を聴くと、どうもいけません。訳も無く涙ぐんだりしてしまいます。そして今日もまた、どうでも良いことを願ってしまうのです。決してオリンピックで金メダル取ったりするする種類のものではありません。
 とても安っぽく貧弱で頼りない願いです。それでも僕らは願わずにおられません。僕ら世界中の子供たち(40過ぎであろうと)は、願わずにおられないのです。


Simply Red- Stars

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2008年07月18日

母を見送るために僕が出来ること

 母の癌が転移してることが分かり、余命宣告を受けました。
いろいろ混乱しましが、今はあまり情緒的にならずに母が死を穏やかに?自然に?混乱なく?受け入れることが出来るように、出来る限りのことをしてあげたいと思っています。

 まず近くの病院に転院あるいは同居を考えています。これまで交流のなかった母と娘たちとが同じ家に暮らすことになるには多くの障害があります。感情的になるのは避けて、お互いにストレスのない状態にしなければまりません。いくつかのプランを考えて、金銭面、そして母の健康面を考慮して慎重に進めて行こうと思います。

 また緩和ケアについてもソーシャルワーカーの方から説明を受けました。末期がん患者をサポートする取り組みです。肉体的な苦痛、そして精神的な苦痛を緩和して死を迎える準備を手助けをしてくれるようです。こちらの面もよく勉強して、出来るだけ良いサービスを受けさせてあげたいです。

 志穂美さんから頂いたメールにも、ソーシャルワーカーの言葉にも同じ呼びかけがありました。

「あなたは、お母さんと向き合う最後のチャンスをいただいたんですよ」

 逃げずに、もう一度と母と最後の共同作業をしなければなりません。でも、それが出来て良かったです。困難は覚悟の上で、このチャンスをいかしたい。悔いの残らない、最高の終末を母にプレゼントしなければなりません。

 医療・保険制度や各種控除等、学ぶことは多いです。何か体験談等があればアドバイスお願いします。情緒的なものではなく、この社会に組み込まれた『人が死ぬ作業』のお話です。
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2008年07月12日

ブルースでも、なんでもない土曜日

Southern Fried.jpg
John Hammond / Southern Fried

 置き忘れていたブログが、ひょこり戻って来たので更新してみましょう。日記だ。

 今日は朝からブルースが聴きたくなりまして(滅多にありませんが)、ロリー・ギャラガーやマイク・ブルームフィールドなど(今はジョン・ハモンド)を聴いてました。黒人の方のそれより白人のそれの方が好きなんですよね。私はですね(根拠は無いけど)。

 ここんとこ、目まぐるしく、なんやかや起きますね。良いことも、悪いことも、嬉しいことも、辛いことも…。昔は、いちいち繊細に反応していたものです。一喜一憂ですね。しかし最近は歳をとって鈍感になったのですかね。考えるのが面倒になったのか。あまり深刻にはならなくなりました。大げさに喜んだりもしなくなったですね。
 それが良いことなのか悪いことなのかを考えることが億劫。
死ぬやつもいれば、生き残るいやつもいる。成功するやつも、取り残されるやつも。で、自分は?と昔は考えて比較してたけど、最近は自分は良いよ。と思い始めた。

 自分は良くやってるやん。いや〜俺はこの人が好きなんだ。つまり自分大好き!だったんですね。恐ろしいことに。

 40過ぎて自分は自分が好きだったことに、自覚的になりました。(なんや、この人?気味悪)
好きなんだから虐めんとこ、と思い始めましてね。自分をね。もう良いよ。許してやれよ。とね。(自分を)

 将来のことが不安で仕方なかったけど、ここんとこは、大丈夫なんじゃない(根拠ないけど)。この人(自分)なら、どうにかするやろ。と思いはじめました(まったく単純な発想)

 また考えも変わると思うけど、今は、これで良いです(つまり、あまりブログを更新しなくても良くなった。と)と書きつつ、やっぱりブログを書くのは面白いな。やっぱり、また書きます(結局なんだっんだ?)
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2008年05月17日

ゆるゆるさせた土曜日の午後

フライトプラン.jpgボーン・アルティメイタム.jpg

 本日はのんびりした土曜日。仕事して、帰って、花買いに行って、植えて、DVD観ながらエアロバイクこいで、ビール飲んで、クルクル寿司のお持ち帰り盛り皿食って、ブログ更新して、寝る。

 何週か続けて、何本かDVDを観ましたね。面白いのか、退屈なのか、いまひとつハッキリしないけど、続けてシリーズ3作観てしまった。マット・デイモン主演の『ボーン・アイデンティティー』『ボーンスプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』。ベストは2作目。1作目も良かった。3作目は唇を噛んだ(?)。

 マット・デイモンの無骨さはわりと好き。ただし華や色気はない。華や色気は消耗するので、いらんよ。もう結構。ならばOK。ストーリーは粗い。継ぎはぎだらけ。その粗さをカバーするのがパワフルなアクションシーン。派手なのに痛快さはなし。痛みが増すだけ。M体質にはオススメ。

 続いてジョディ・フォスター主演『フライトプラン』。
前半のヒリヒリするような展開は良い。カメラワークやカット割りもスタイリッシュで素晴らしい。ただし前半のジョディ・フォスターは存在感があり過ぎて、現実味が薄い。
 後半は一転して粗く締まりの無い展開。悪役が良くない。脚本も無理がある。クライマックスも陳腐。映画としては最悪だけど、ジョディ・フォスターが俄然良くなってくる。むしろジョディ・フォスターのオーラが映画をダメにしてしまったのかも。でもジョディ・フォスターを、うっとり観てるだけで、何もかも許してしまう。素敵だな〜。シワが増えたけど。

 最後に音楽を少し。アンジェラ・アキを気に入って聴いています。『確かに』って曲がすごく良かった。ファーストとセカンドをレンタルした。一緒に柴田淳とかユーミンとか借りた。
 眠くなったので、続きは改めて。
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2008年05月13日

Across The Borderline

ACROSS THE BORDERLINE.jpg

 1年半一緒に働いたDJやってる男の子が、再び海外に放浪の旅に出ることになった。と言っても最初から1年の約束だったのだが(半年延ばしてもらった)。

 彼は力になってくれた。全部任せても大丈夫だった。彼は仕事も出来たし、性格も真面目で誰からも愛された。うちの店なんかには勿体無い人材だった(それで私は彼を止めることが出来なかった)。

 彼は迷っているようだった。私は彼の悩みを聞き、当たり障りのないアドバイスをした(彼は音楽家を目指していた)。だが、それは本当に当たり障りのないものだ。本当のことなど私にはわからない。とくにそれが何が良い音楽なのか?なんてことになると、そこに評価を与えることなど、私には出来なかった。

 彼は努力していたし、その努力が何かに結びついたかもしれない。でも努力が面白い音楽を生み出すかと言うと、ちょっと違う気もした。努力して面白い文章が書けるのかと言うと、微妙に違うような気もするのと同じ意味で。

 最初の半年は彼といつも音楽の話をした。それが日を追うごとに少しづつ減っていった。「音を捕まえることが出来ないんです…」と彼は口ごもったことがあった。彼は創作に行き詰っているようだった。

 彼がどうして今、旅に出るのか?本当のところは分からない。ただ、彼はここにいるより海外に出た方が良いんじゃないだろうか?そんな気持ちで彼を見送っている。

 私が彼と同じ20代のころは、やはり、自分に何が出来て、どんな夢が叶えられるのか、皆目、見当がつかなかった。何をやれば良いのか、どこに行けばよいのか、さっぱりわからなかった。だから、彼はそれで良いのだろう。

 私は彼の背中を見送りながら『なあ、俺と会社をやらないか? 日本中を俺たちのサンドイッチで一杯にするんだ』なんてかっこいい台詞で彼を捕まえておけたらな〜とか女々しく考えたりしている。


FREDDY FENDER (& Ry Cooder): Across The Borderline
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2008年05月07日

バトンマン歌ってよ〜♪

セニョリータ・ショコボチ〜タからバトンをいただきました。

1.必ずバトンを回す(5人の大切な大好きな方々を題名に書いて驚かせて下さい)
2.回ってきた質問には、素直に等身大の自分で答えましょう。 (いえーい!等身大!!)
3.やらない子にはお仕置きです!(チョコレートになっちゃえ)
4.ルールは必ず掲載しておいて下さい。

○回す人

勘弁してね(面倒なの)

○お名前

sand

○おいくつですか?

43

○ご職業は?

飲食店経営

○刺客…資格は持ってる?

ないね。調理師の免許取りたい。

○今悩みがありますか?

四十肩が痛い。

○あなたの性格を一言で言うと?

意固地。

○誰かに似てるって、言われた事がある?

貴乃花親方。あるいは兄ちゃんの花田勝氏。はたまた11PMにうさぎちゃんと一緒に温泉に入っていた元関脇荒勢(全員相撲取りかよ)。2年くらい前はホリエモン。痩せてた頃は…いいや。

○社交的?人見知りしちゃう?

まったく社交的ではないけど、飛び込み訪問とか得意なので、初対面が苦手ではないす。でも人といると疲れる方。

○ギャンブルは好き?嫌い?

嫌いじゃないけど、しない。妻からは「アンタの人生そのものがギャンブルだ」とよくいわれる(誰かと同じ)

○好きな食べ物&嫌いな食べ物

好き⇒ ホニホのイワシ蒲焼(缶詰)・サラダ一番・発泡酒・ベビーチーズ・じゃがいものキンピラ・ジャガイモと玉葱の味噌汁・ピーナッツ
嫌い⇒ レバー・砂糖の付いた煎餅。

○彼氏&彼女にするなら、こんな人が理想(5つ

・病弱な人。
・知れば知るほど、分からなくなる人。
・普段は控えめだけど、話の途中で唐突に自己主張を始めて、周囲を引かせることが出来る人。
・冷たく見える人。
・概ね諦めてる人。

○彼氏&彼女と喧嘩した時、自分から謝る?

謝ってると思う。謝るのは嫌いじゃない。謝られるのは荷が重い。

○親友と呼べるお友達は何人いる?

すごい少ない。だから昔からの友人はとても貴重。最近は店のパートさん連中も親友みたいに仲良し。

○今行きたい場所は?

背振山にトレッキング。

○もし、自由に使える10万円があったら、何に使う?

近くのスポーツジムの入会金と会費を一括で払う。それかちょっと高級な自転車が欲しい。

○将来の夢を語って下さい。

子供たちが就職したら、資産を処分して海辺の田舎町に古い家屋を買って『手作りコロッケと麦ご飯とジャガイモの味噌汁』を食べさせる地味な店を開く。それだけじゃ採算が取れないので、今まで通り外販をして資金を回す。営業時間は午前6時から午後2時まで。2時以降は畑仕事をして野菜を育てる。空いた時間でチンタラ小説が書きたい。夜はビールを飲みながら古いレコードを聴く。毎日早く寝る。

○その夢の為にしていることは?

一生現役で働きたい。自分の身体を大切にして、運動を心がけ、ストレスを貯めない。

○次に回す人の紹介

勘弁してね(面倒なの)。おわり。
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2008年04月27日

放置されたブログに水をまく(ただし雑)

 またしても放置してしまった。困ったことだ。実は全然困っていないのが、なおのこと困った。これではせっかく仲良くなった、ネット友に見放されてしまう。しかし放置がやめられない。放置された自身のブログを冷ややかに眺めることに快感を覚えてしまったのだ。『ああ。今日もまた昨日と同じだ』とかニヒルに笑ってみせるのだ。PCのモニタをツンツンと突いてニタニタ薄ら笑いを浮かべたりしているのだ。

 なになに?そんなんなら辞めちゃえって?
おいおいボビー(誰?ボビーって)そいつはないぜ。悪いが『辞める』って言葉はな、真剣にブログを書いてるヤツが使う言葉だ。このブログには真剣なんて単語は2年くらい前から消えうせてしまってるのさ。つまり始まってもいないブログを終わらせることなんか出来ないのさ。だいたいのブログってものはだな、始めることも終わらせることも出来ずに途方に暮れているのさ。分かるかい?ボビー?
もちろん、この俺でさえ、これっぽちも分かっちゃいないんだがね。

 放置されたブログに水をまく行為は、どういう意味合いがあるのだろう?

1.自己満足
2.自己満足
3.自己満足
4.自己満足



99.自己満足
100.自己満足

 このように100種類の自己を満たすことが可能であり、同時に100種類の自己嫌悪も抱えることが出来る画期的な手段だ。

 HPやブログを書き始めたころ、『なにか』という単語をやたら用いていたように思う。『なにか』というのは、とても漠然としていて、それまで生活してきた中で抱え続けた漠然とした想い(それこそ『なにか』)と同種のものだったように思える。
 『なにか』というのは『なにか』?『なにか』意味があるのか?漠然の波状攻撃。他者の『なにか』との幸福な出会い。そういうのがブログの面白さだったのかな?

 今、放置したブログをぼんやり眺めていると、使い古され、ボロボロに消費された『なにか』の残骸が横たわっているような気持ちになってくる。
僕の『なにか』は死にました。酷使され、しゃぶり尽くされて、あの世に旅立ったのです。

 そうなのかもしれないし、あるいはまた、単に私が雑だったのかもしれない。僕はそれを、あまりにも雑に扱ってしまって、誤って死なせてしまったのかもしれない(なんのこっちゃ)
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2008年03月31日

時計塔のアライグマ男

時計塔.jpg

 アライグマ男は時計塔のてっぺんから、どこまでも続く地平線をながめています。彼は、その場所が好きでした。そこにいると時間のたつのを忘れてしまいます。
 でも、おばあちゃんはそれを嫌がりました。おばあちゃんは、それを許してはくれませんでした。おばあちゃんは外の世界が嫌いなのです。でもアライグマ男は、おばあちゃんがとても好きでした。だから彼は、おばあちゃんに見つかる前に、その場所を離れました。

 おばあちゃんと暮らしていたころのアライグマ男は、まだ小さな子供でした。彼は自分の両親を知りません。アライグマ男を育てたのはおばあちゃんです。おばあちゃんはアライグマ男の両親のことを一度も話しませんでした。そして、おばあちゃんは自分自身のことも話しませんでした。それはアライグマ男に限ったことではありません。
 おばあちゃんは自分を誰にも知られたくはなかったのです。おばあちゃんは、幼いアライグマ男と二人だけの世界にいました。そしてそれ以外の世界を決して知ろうとはしませんでした。

 おばあちゃんの心はとても綺麗で優しく、顔には醜いアザがありました。

 おばあちゃんとアライグマ男は時計塔に住んでいました。街中の人がその時計塔で時刻を知りました。時計が正午を指すと大きな鐘の音が街中に鳴り響きました。街中の隅々まで鐘の音は響き渡りました。
 大時計の手入れが、おばあちゃんの仕事です。時々町から役人さんが来て、おばあちゃんにお金を渡しました。そんなときの、おばあちゃんは、とても怯えていて、人を怖がっているのが分かりました。

 おばあちゃんとアライグマ男は大時計の下で仲良く暮らしていました。おばあちゃんは朝早くから忙しく働きました。でも、おばあちゃんはいつもお金に困っていました。アライグマ男は、おばあちゃんのお使いでパンを買いに街に行きましたが、いつも買えるパンは1斤だけです。おばあちゃんは、1斤のパンをアライグマ男に与えると、自分はお芋を食べました。おばあちゃんの身体はとても痩せていました。おばあちゃんは時々深い深いため息をつきました。そして、アライグマ男の手を握り締めて言いました。

「今はとても幸せだよ。でも、あたしは明日が来るのが怖いのさ。ああ、あたしに時間を捕まえることが出来たらね〜。そしたら、お前とずっと一緒に暮らせるのにね」

 おばあちゃんはアライグマ男が外の世界に興味を持っていることを知っていました。でも、それを許すことは出来ませんでした。おばあちゃんは外の世界が怖くて仕方がなかったのです。そして、愛するアライグマ男を外の世界に取られたくはなかったのです。
 街へのお使いの帰りにアライグマ男が寄り道をすると、おばあちゃんは酷く怒りました。太い丸太の棒でアライグマ男の背中を打ちました。アライグマ男の背中は痛みましたが、それは、おばあちゃんの心の痛みでもありました。

 おばあちゃんの心は病みました。おばあちゃんはアライグマ男の身体を痛めつけることでしか自分をつなぎ止めることが出来なくなっていました。おばあちゃんのアライグマ男への虐待は次第にエスカレートしていきました。でも、おばあちゃんは自分を止めることが出来ません。おばあちゃんはアライグマ男をとてもとても愛していました。それでも自分の小さな世界を失うことが怖くてたまりません。

 おばあちゃんはアライグマ男が眠りにつくと、自分が傷つけた傷跡を見て泣きました。そして自分自身を呪いました。自分の小さな世界を呪いました。
 おばあちゃんは不意に立ち上がり、靴も履かずに、時計塔の階段を駆け上がりました。そして、時計塔のてっぺんに立つと夜空を見上げて幾つかのお祈りをした後、地上へ身を投げました。

 次の朝、目を覚ましたアライグマ男は大時計の下で倒れている、おばあちゃんを見つけました。彼は街へとお医者様を呼びに走りました。何人かの街の人が、おばあちゃんを病院まで運んでくれました。
 おばあちゃんは病院のベッドの上で小さな小さな息をしています。「おばあちゃん。おばあちゃん」アライグマ男はおばあちゃんに呼びかけました。どんなに辛い目にあってもアライグマ男はおばあちゃんを愛していました。

「ああ。ごめんよ。おばあちゃんは時間を捕まえようとしたんだよ。それを捕まえられると思い込んでしまったのさ」おばあちゃんは途切れ途切れに話しました。

 アライグマ男はその話を聞くと窓から顔を外に突き出して、時計塔を見ました。時刻は午前11時45分。
「まだ、間に合うよ。おばあちゃん、僕が時間を捕まえてみせるよ。だから、ずっと、ここにいて。ずっと僕と暮らそうよ」アライグマ男は病室の扉を開けて駆け出しました。

 街を駆け抜け、時計塔に着くと、納屋からロープを手に持って、階段を駆け上がりました。時計塔のてっぺんに着くと、身を乗り出して、今にも重なりそうな長針と短針をロープでグルグル巻きにしました。やがて鐘の音が鳴り響きます。1・2・3……10・11・12。鐘の音が12回を打ってもまだ鐘は鳴り止みません。13・14・15・16……鐘の音は永遠に鳴り響きます。

 ベッドに横になった、おばあちゃんは幸せそうにその音を聴いていました。
「ありがとう。お前が捕まえてくれた時間。大切に持って行くよ。大切にするからね。
だから、お前も行くんだよ。行きたい場所に。行きたい世界に。どこへでも行くんだよ」
それが、おばあちゃんの最後のつぶやきでした。

 アライグマ男は時計塔のてっぺんで、おばあちゃんの魂が天に昇っていくのを眺めていました。アライグマ男の瞳から涙が零れ落ちました。彼を哀しみが包み込みました。

 でも、おばあちゃんはそれを望んでいませんでした。おばあちゃんは吹き抜ける春風に姿を変えて、アライグマ男の涙を吹き飛ばしました。

 涙はいつしか乾くものです。いつでも哀しみは開放を伴ってやって来るのです。
お別れは、春のそよ風のように、新しい息吹を連れて来るのです。

 アライグマ男は時計塔のてっぺんから、どこまでも続く地平線をながめています。彼の瞳には、もう涙は浮かんでいません。そこから見える広い広い世界が、彼を呼ぶ声が聞こえていたのです。そのときアライグマ男の歩みが始まったのです。長い長い旅の始まりです。
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2008年03月25日

解明教室の歌

どうして、お猿のお尻は赤〜いの?
どうして、象のお鼻は長〜いの?
どうして、美輪明宏は怖〜いの?

解明。解明。僕たち解明教室員

どうして、スイカは赤〜いの?
どうして、バナナは黄〜色いの?
どうして、小朝の元妻の泰葉はウ〜ザイの?

解明。解明。僕たち解明教室員

どうして、新幹線は速〜いの?
どうして、飛行機は空飛ぶの?
どうして、浅田真央と安藤美姫と村主章枝が三人並ぶと彼女たちが持ってるものより、彼女たちに欠けてるものばかりに想いが及ぶの?

解明。解明。僕たち解明教室員

どうして、お空は青〜いの?
どうして、海の水は塩辛いの?
どうして、引田天功がテレビに出ると、自室の引き出しの奥に隠し持ったエロDVDが家族に見つかってしまった時のように恥ずかしさと生臭ささが混在したような気持ちになるの?

解明。解明。僕たち解明教室員
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2008年03月23日

ファミレス日陰王の没落

Just An Old Fashioned Love Song (1971).jpg
Paul Williams / Just an Old Fashioned Love Song

ええ。もう昨今は没落の一方でしてね。
先日も、ちょいとファミレスに立ち寄りましてね。定食食ってコーヒーでも飲んで帰ろうかと柄にもなく大それたこと考えたりしましてね。

ファミレスってヤツはあれですな。昔っから窓際には、わりとルックスの良いカポーやファミー(家族)を並べようって魂胆なんですな。無精髭はやして髪の毛モサモサの今にもリストカットしそうな病的な独り者なんかを窓際に座らしたりしなんですわ。独り者ならパリッとしたビジネススーツ着こなした仕事の出来そうなサラリーマンとかね。道行く人もエリートなビジネスマンが窓辺で上品そうにコーヒーなんぞ、すすってると「ほう。ここはシッカリした人が集う。シッカリしたファミレスなのだな」とシッカリと、うなずいたりするもんなんですな。

それで、あっしですが、どちらに分類されるかってぇと、これが圧倒的に奥まった暗室のような場所なんですわ。これがね。暗窟って呼んでも良いざんしょ。江戸川乱歩の怪奇小説に出てきそうな絶海の孤島に島流しにされるようなもんなんですな。どんなに窓際がガラガラでも屈強な案内マンに行く手を阻まれ、光のある場所には決して近寄れない。そんな差別的な扱いを受けている訳なんですな。困ったことに。

その日もまた暗窟行きかと諦めていたわけなんですがね。その日が、また良い天気でしてね。こう目を閉じると風の音がして、柔らかな日差しが頬を照らしましてね。なんとも心地の良い午後だったんですな。
「ああ、こんな午後に窓際に座って、コーヒーが飲めたらどんなに幸せだろう」そんな大それた考えがフツフツと心に芽生えてきたわけなんでさ。

それで、それで、あっしは一度だけ窓際に座ってみたいと心から思ったんですわ。あっしは才能にも商才にも見放された、冴えない中年男ですわ。長く生きてても良いことなんて、これっぽちも、ありません。
でも人間なんです。同じ人間なんだ。にんげんだものと相田みつを先生に背中を押されてる気がしましてね。ファミレスの扉を開けると、脱兎のごとく駆け出したんでさ。窓際に。光のある場所に座りたい。一度で良いから座りたい。あっしは、その思いに突き動かされていたんですな。

ガードの固いレフトバックの案内マンの脇の下をかいくぐり、回り込んだハーフバックの案内マンをフェイントで抜いて、あと一歩。あと一歩で、窓際の席って段になったとき。あの男が現れたんでさ。身長は優に2mはあろうかって大男。あの伝説のセンターバックの案内マンでさ。誰もがヤツをこう呼ぶんでさ『釈迦の手』とね。

『釈迦の手』は、あっしの肩をグワシと鷲づかみしたんでさ。それで、あっしは身動きが出来なくなったんでさ。それでも、あっしは諦めきれず、大男に嘆願したんでさ。
「金も女もいりません。光だけ。どうか光だけ、わけてくださいませんか」とね。

それでも大男は首を横に振った後、クールにこう言い放ったんでさ。
「お客様。光合成は困ります」とね。

あっしは観念して、その場に崩れ落ちたんでさ。そして号泣しながら、こう叫んだんですわ。
「あ〜〜ん。あ〜〜〜ん。日陰者だもの。日陰者だもの。光合成されちゃ、みんなに迷惑がかかるもんな〜〜。あ〜〜ん」

それが、その日の顛末でさ。日々没落が肩にのしかかる気がしてましてな。身体ごと陰に染まっていく気がするんですわ。
そういうのも、こういうのも、あれですわ。
お天道様のお陰です。
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2008年03月19日

公立

公立に決まりました。とりあえずホッとしました。(そして金銭的には大いに助かった)

がんばってください。驚いたことに、わりと良い高校なんすよ。
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2008年03月18日

ピリピリ

 さあ、明日がいよいよ公立入試の発表です。もう私立に受かってはいますが、これで決まると思うと、やはりピリピリしています。娘も親も喧嘩がたえません。

 公立は本人の希望とは違うけど、私立は金がかかることは、本人も知っていて、かなり迷っています。どっちでも良いよ。と親としては言うのですが、気を使っているのか。私立でお小遣いを減らされるより、公立で余裕がある方が良いのか。本人も分からないし、私たちにも、どっちにしろという気持ちもないので混乱しています。ただ、学費は公立は私立の5分の1くらいかな?ひっとすると10分の1。そりゃやっぱり公立に行ってくれた方が助かるのは助かるけど、とても言えないです(歯切れ悪いな〜)

 公立を落ちれば、私立になるわけなので、道は1本しかないんですが、公立を受かれば、どっちに行くにしても、後々しこりを残しそう。
 明日、午前中に公立の合否が出て、午後には公立か私立の入学説明会に出席しなけりゃなりません。明日は大変な1日ですよ。大学の卒業式でオードブルの予約も一杯だし。

 今夜は、80年代に好きだった産業ロックと呼ばれた、大らかなロックでも聴いてリラックスしましょう。今、聴くと、ほんまにチマチマしてなくて豪快で良いんだよな〜。

Damn Yankees - High Enough
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2008年03月13日

石田純一的空間(リハビリ中)

いしだ.jpg

 我々は空間に生きる。そこに暮らし、そこに死ぬ。
それは過去から未来へと数珠繋ぎに連なり、絡み合い、移り変わる。
 ある時、君の脳裏に裏通りを照らす街灯のようにポツンと明かりが灯る。
『石田純一的空間とは?』

 君は高くそびえ立つタワーの前に立っている。
見上げるとタワーの頂上近くに展望台が設置され、人々が君を見下ろしている。

 君はタワーのロビーに足を踏み入れる。そして展望台までノンストップで駆け上がるエレベーターの前に立つ。
 君は下を向いて考え事をしている。やがてエレベーターの扉が開く。君は下を向いたまま、そこに乗り込む。ようやく顔を上げた時、君はそれに気がつく。

 そこには石田純一が笑って立っている。他には誰もいない。
肩にはブルーのセーターが石田純一的な無造作さで羽織られ、腕には石田純一的に光り輝くシルバーのブレスレット。そして石田純一的な清潔さを保つべく、磨き上げられ、横に並ばされた白い歯。さらには顔面から零れ落ちる石田純一的に鍛え抜かれた微笑。
 まさに過不足無く石田純一であった。あたり一面に石田純一であった。圧倒的に石田純一であった。

 君は驚愕し動転しエレベーターの中を後ずさりする。
だが君の後ろで扉が閉まる。君は、そこから逃げられない。

 君は石田純一から目を逸らし、扉を向いて息を潜める。
君の肩は震え、息遣いは荒い。君は背中越しに石田純一の視線を感じ。彼の顔面に張り付いた微笑に恐怖を覚える。君は心を閉ざし、石田純一が君の中に入り込まぬよう必死で抵抗する。
 でも、君は石田純一から逃げられない。
何故なら、そこは石田純一的空間だから。

 やがて君は、石田純一に含まれる。彼にもてあそばれ、彼に撫で回される。彼に蹂躙され、彼に慰められる。彼に選択され、彼に回答され、彼に正解される。
 彼に溺愛され、彼に甘やかされ、不必要なほど癒される。泣きたくなるほど楽しまされ、死にたくなるほど喜ばされる。
 
 君は震えて立ち尽くす。滝のような汗が、頬からフロアに滴り落ちる。
すべての男性は石田純一に弱味を握られている。それは男なら誰しも知り得ること。

 長い長い苦悶の末にエレベーターは展望台に到着する。扉が開くと、君は決して後を振り返らず、そこから転がり出る。そして恐怖を振り払うように展望台を駆け抜ける。君は走り続け、見物客の人ごみを抜け、何度か背後を確認した後、ようやくトイレに駆け込む。

 君は、そこで何度も嘔吐する。石田純一の恐怖が君の胃からすべてを奪い取る。石田純一的空間は容赦なく君からすべてを吐き出させる。嘔吐は執拗に続き、君は苦痛で涙を流す。

 なんとか嘔吐が収まっても君はそこを動けない。便座にしがみつき荒い息を吐き続ける。
ようやく気分が落ちつき、君は立ち上がる。呼吸を整えてから、トイレの扉を開く。
 
そこには石田純一が笑って立っている。

 君は、そこから逃げられない。


★リハビリ中です。モチーフのタライ回しでごめんなさい。次は新作『うどん屋学入門』でお会いしましょう。(誰も会いたくないって)
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2008年03月04日

ハコを訪ねて三千里

Beetle.jpg
山崎ハコ - BEETLE / SODASUI

 さ〜昨日、注文していたハコさんのマキシシングル『BEETLE / SODASUI』を購入いたしました。以来、聴いてますね〜。もう100回リピートしてしまった。まさに馬鹿!ハコ馬鹿。

 しかし良いですよ〜。メチャクチャ良い。カップリング曲のどちらも最高の仕上がりですよ。従来の暗いイメージはまったく感じません。が、何かが心に引っかかる。何だろな? なんちゅうか、ぎこちなさでしょうかね。歳とって40歳過ぎて、まあ色々経験して成功とか恋とか誰かの死とか。そんなの通り越して、こなれて来て良いと思うんですよ。何か分かったって良いんですよ。分からなくても、分かったふりも上手くなるって言うか。
 でも実際は、どうなのかと言うと、ちっとも分かっちゃいないし、これで良かったのか悪かったのかさえ、まるで雲をつかむ様な話しだし。

 それでハコさんの声は、位置的にはベテランだとか関係なく、不安定でぎこちない。どこかが壊れていて、ポッカリと穴が開いてるって言うか。それがちっとも嫌味でも力不足でもなくて、そのまんまなんですよね。そのまんま、良くも悪くも歳をとってしまった女だとか人間だとか。そんな、どこにでもいる。どこにでもある『想い』がスルスルと力む事も苦しむ事もなく、スルスルと湧き出てくると言うか。

 ハコさんの歌を聞いてると、切なさとか癒しとか。そういうのより、もっと普通と言うか飾らない何か。気がついたら横に座ってた。みたいな。もうぜんぜんカッコつけない。ハッタリかまさない。見栄張らない。何にも身に着けない。自分の中にオドオド震えている、本質的な自分の姿とピッタリと重なり合うといいましょうか。

 彼女が地獄を通り抜けて来て、見つけたもの。それは普通より、もっともっとシンプルで軽やかな普通だったのかも。

 ここにあるのは、ある時代を生き抜いてきた生身の女の、もっとも軽やかで、もっとも透明な気持ちを奇跡的に閉じ込めた、奇跡的に美しい音楽だと思いますね。
posted by sand at 18:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月29日

偽のトラウマを抱える盲目の男

 知人の紹介で確定申告をマトメてもらう会計事務所を替えてみた。

 会計士の先生は私より2歳上のほぼ同郷の方だった。少し打ち合わせて同じ金額で請け負ってもらう事にした。
 それから商売の話になった。『迷ってますね?』先生は少し話しただけで見通したように言った。「はい。迷っています」私は率直に答えた。
 『私が答えを言いましょう。あなたは一勝負する時ですよ。もう一度借り入れを起こし、もう一度、腹をくくって戦う必要があります』
先生はそう言った。

 私は人に指図されるのが嫌いだ。偉そうに意見されるのが嫌だ。まず言うことを聞かない。
 だが今回は素直になれた。その通り。私はずっと逃げている。今は、そこそこ食える。それで満足しようとしている。そして、ずっと不安と不満を抱えている。

 『考える必要なんて無いんですよ。ドカンとやりきれば良い。それだけです』

 私は父と母の話を返した。父は事業に行き詰まり多額の借金を抱えて、不可解な死を迎えた。母は精神に異常をきたし、奇行や逃亡を繰り返し、やはり負債を抱えて自己破産に至った。祖父はうつ病から首をくくり、常に問題を抱えてた家庭に育った。父と母の会社は破綻し、私も多額の債務を負っている。今現在も。
 
「私は逃げたいんですよ。そういう過去から。それがあった場所から。それらの人間達から逃げ出したいんです」私は本心を話した。このブログに書かれているのは全部そのことだ。私は過去から逃げたくて、ここにすべてを書きなぐりたかった。それ以外に何も無い。何も無い人間なんだ。私は。

「だから、だから、私は何も望んではいないんです。最低の場所で最低の人間として、ひっそり死人のように生きていたいんです」

『だけど、あなたは迷っている。そうであるのならば迷う必要もないでしょ?
 あなたは、そのトラウマを既に克服しているんじゃないですか?あなたは、ただその場所に隠れようとしているだけなのでは?あなたは、自身の同情を買える過去に、ぬくぬくと浸っていたいだけなのでは?』
 先生との話はそこで終わった。

 帰って女房と少し話をした。「俺、もう一度、やれるかな?」
私は女房が必ずそれを否定すると確信していた。なぜなら女房も私と同じ思いで苦痛を共にしてきた。

「転機が来たのかしらね」女房は寂しそうに答えた。

 自分の答えはまだ出ていない。ただ一つハッキリしていることは、これが過去とは切り離された物であるということだ。私たちの将来の話だということだ。焼け野原となってしまった過去の上に、我々は何を築けるのか?という話だ。

 迷ったときには、いつも早川さんです。映りが悪いけど、そういうのとは違う方だから。

ラブ・ゼネレーション 早川義夫
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2008年02月26日

あなたならどうする(泣くの歩くの死んじゃうの)

いしだあゆみ - あなたならどうする

 はい。申告だいたい終わりました。売り上げは飛躍的に伸びたけど、利益率が悪かった。昨年は投資の年だったから、今年は回収したいもんです。経費やロスを細かく絞って収益を上げたいもんです。原価が高騰してるから、なかなか難しいけどね。まあ、売上げも堅調だし、今年になって新規も3件取れそうだから、悪くはないと思うけど。今年は細部をチェックしながらやってみよう。がんばります。

 ここ最近、動画は『いしだあゆみ』を日夜”ばみ”っています。まだまだ”ばみ”り足りません。手抜きしないで”ばみ”り続けよう。

 『あなたならどうする』で『泣くの歩くの死んじゃうの』という3択はキツイな〜。そのような予断を許さぬ娘なのさ。あゆみって子は(あんた何?)
posted by sand at 18:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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